★★★☆☆
あらすじ
誘拐された親友の恋人を助けるために、親友と共に敵の邪教集団の本拠地に乗り込む探検家。
感想
ジャッキー・チェンが事故で死にかけた映画として有名な作品。その時の映像をエンディングで流してしまう演出もすごいのだが、そのイメージが強すぎて東南アジアだかアフリカだか、どこか未開の地が舞台だと思っていたのだが、実際はヨーロッパがメインの舞台だった。
序盤はそんなヨーロッパを車で旅するロードムービーのような展開。状況を説明するシーンも長く、特段面白いことも起こらず、かなりのんびりとしたテンポで物語は進んでいく。最初の1時間くらいはとてつもなくつまらない。
多分、このつまらなさは主人公の親友役のアラン・タムのせいのような気もする。アクションばかりだとジャッキーだけが目立ってしまうので、彼にも見せ場を作ろうとした結果がこのありさま。終始、邪魔だった。
そんな中でもカーチェイスやアクションはあるのだが、何か物足りない。多くを期待し過ぎてハードルが上がっているのもあるが、テンポが悪いのが一番の要因だろう。いまいち盛り上がらない。
ただ、ジャッキーが乗っていたシルバーの三菱車はカッコいい。かっこ悪すぎてかっこ良いというべきか。三菱コルト(ミラージュ)スパイダーという開発車で、デロリアン感もある。
そしてこの頃のジャッキー映画ではよく見られるかくれんぼシーンもある。純粋に知りたいのだが、この場面は当時の映画館でウケていたのだろうか?妙な息苦しさがあって、変な空気にしかならないような気がするのだが。
そんな少しつらい時間帯は最後の最後でようやく終了する。主人公が親友とその恋人を救うために単身敵の本拠地に乗り込むと、ようやくスイッチがオンになったかのようにテンポが良くなる。ここからが見ていて楽しい時間だった。それまでの停滞感を取り戻し、おつりがくるくらい挽回してくるからすごい。
結果、面白かったという感想にはなるのだが、つまらなかった前半はなんとかしてほしかったなという気持ちは残る。
スタッフ/キャスト
監督 *エリック・ツァン
*ノンクレジット
監督/出演
脚本 エドワード・タン/バリー・ウォン/ロー・キン/シト・チクホン/ジョン・シェパード
製作総指揮 レイモンド・チョウ
出演 アラン・タム/ロザムンド・クワン/ローラ・フォルネル
関連する作品
次作