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「ブレイブ ワン」 2007

ブレイブ ワン(字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 散歩中に暴漢に襲われ、恋人を失い自身も重傷を負った女性は、護身用に銃を手に入れる。 

 

感想

 事件に巻き込まれた女性が護身用に銃を手に入れたことから、次第に自ら悪を成敗する人間へと変容していく。ただ彼女はたまたま事件に遭遇し、それを銃で対応したからそんな風になっていった。しかし普通に生活しているだけでこんなにも事件に遭遇するなんて、ニューヨークはなんて治安が悪いんだと思ってしまうが。

 

 そしてやはり銃は持つべきではないな、とも思ってしまう。電車で起きた事件が分かりやすいが、他の乗客のように厄介ごとを避けて電車を降りていれば何も起こらなかった。なのに彼女は銃を持っているという変な自信からその場に残り事件が起きてしまった。銃があることで揉め事は大きくなっていく。傍若無人な若者を野放しにするのは癪に障るという気持ちも理解できないわけではないが。

 

 

 次第に自ら事件の場に近づいていくことになる主人公。徐々に彼女の行動が警察に代わり悪を成敗するという性格に代わっていく。ただこれも、私刑は良くないなという結論に行きつくだけだ。個人の正義感など人それぞれなので、皆がそれに基づいて私刑をしていたら地球上に人類はいなくなってしまうだろう。実際に主人公は、家出少女を助けようとして逆に重傷を負わせてしまっている。他人に迷惑をかけることも多くなるはずだ。ただこの辺りは、映画の中でちゃんと言及されている。

 

 自身が襲われた事件の容疑者を警察が見つけるも、主人公は嘘の証言をして釈放させ、自ら復讐を果たそうとする。これはかなり終盤なのだが、それまでなぜ主人公はまず自身と恋人を襲った犯人を捜そうとしなかったのかがずっと疑問だった。他の事件に首を突っ込んでいるヒマがあったら、まずそれをするべきだった。

 

 そしてついにその復讐を果たせるという瞬間に、知り合いの刑事に割り込まれた主人公。法を守るべきか、個人的な感情を満足させるべきか、という事なのだが、散々やり尽くされているテーマなので、今さらどちらを取っても陳腐さを感じてしまうのは否めない。これをやるなら何か突き抜けたものやプラスアルファがないと駄目なのかもしれない。

 

 法は守らなければいけないのかもしれないが、犯罪の被害者になった途端に、犯人を許せ、と聖人君子になることを強いられるのもたまらない。

 

スタッフ/キャスト

監督 ニール・ジョーダン

 

製作総指揮/出演 ジョディ・フォスター

 

出演 テレンス・ハワード/ナヴィーン・アンドリュース/ナヴィーン・アンドリュース/メアリー・スティーンバージェン/ジェーン・アダムス/ゾーイ・クラヴィッツ

 

ブレイブ ワン(字幕版)

ブレイブ ワン(字幕版)

  • ジョディ・フォスター
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ブレイブ ワン - Wikipedia

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