★★☆☆☆
あらすじ
銀行強盗で得た大金を隠した後に記憶喪失になってしまった男と、彼を脱獄させ大金のありかを聞き出そうとするグループ。
感想
マシュー・モディーン演じる主人公たちが銀行強盗後に仲間割れをして殺し合い、そのままその後が描かれていくのかと思いきや、一気に7年後に時間が飛ぶのはダイナミックで良かった。記憶喪失になった主人公を脱獄させて無理やり記憶を蘇らさせ、隠していた大金を手に入れようとするプロットも面白い。
だが、記憶喪失となってしまった主人公が、記憶回復薬の副作用でうんうんと苦しんでいる姿を延々と見ることになって、こちらまでなんだかしんどい気分になってくる。
それに、主人公が少しずつ記憶を思い出して、事件の全容が明らかになっていくのかと思っていたのに、すでに序盤に見たシーンばかりを思い出していて、それはもう見た、知りたいのはそこじゃないと何度も心の中でツッコミを入れてしまった。金の隠し場所は勿論だが、序盤に描かれなかったその前後に何があったのかを明らかにして欲しかった。
そして蘇る記憶の中で主人公は、脱獄させたグループが何者なのかに気付く。かなり驚きの事実なのだが、それまでのストーリーを振り返ると、たくさんおかしなところが出てきてしまって、どんどんとモヤモヤしてくる。だとしたらあいつのあの時のあの態度はおかしいだろうとか、警察が何も気づかないのはおかしいだろうとか。
そもそも警察の捜査が無能すぎる。大金の隠し場所が主人公の職場なんて、本気で探せばすぐに見つかるはずだろうと拍子抜けしてしまった。関係者の捜査もしていたなら、脱獄の前に色々と気づきそうなものだ。
そんな調子で、納得いかない気分を抱えて終盤を迎えるのだが、最後はその無能な捜査を7年も続けていたスタローン演じる警察官が颯爽と登場して、バッタバッタと敵を倒し、ドヤ顔で全然割に合わない大岡裁きをしてのエンディング。これで一件落着、みたいな空気に、どんな価値観だよと腹が立ってきた。あんなに副作用に苦しんでいた主人公も、いつの間にかケロッとした顔をしているし。
プロットとしては面白く、もっと丁寧に描けば泣けて感動的なアクション映画になったかもしれないのに、色々と雑過ぎた残念な映画だ。
スタッフ/キャスト
監督 ブライアン・A・ミラー
出演 マシュー・モディーン/シルヴェスター・スタローン/ライアン・グスマン/メドウ・ウィリアムズ/クリストファー・マクドナルド/コリン・エッグレスフィールド/リディア・ハル/タイラー・ジョン・オルソン/セルヒオ・リズート/スウェン・テメル
撮影 ピーター・ホランド
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