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「オレの獲物はビンラディン」 2016

オレの獲物はビンラディン(字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 神の啓示を受け、オサマ・ビンラディンを捕まえるために一人でパキスタンに向かう男。

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 実話を基にした物語。

ウサーマ・ビン・ラーディン - Wikipedia

 

感想

 とにかく主人公がパワフルだ。のべつまくなしにハイテンションで喋り続ける。面白くはあるのだが、それよりも見ていて疲れるというのが正直なところだ。そんな人物をニコラス・ケイジが楽しそうに演じている。彼は本当にこういう変人の役が上手い。というよりも、どんな人物も変人に仕立ててしまうと言ったほうが適切か。

 

 無茶苦茶な方法でパキスタンを目指して何度も失敗しているのに、全くへこたれることなく次のチャレンジを始め、現地でもどこでも変わることなくいつもの様子で過ごす主人公の姿を見ていると、なんだか勇気づけられる。案外、人生は考えているほど難しくないのかも、という気になってくる。

 

 

 ただ、そんな自由さを感じる主人公のその原動力が、「神の啓示」というのはちょっと考えさせらる。ポジティブに考えれば神のご加護があれば何だってできるということだが、どちらかというと、所詮彼も神に監視され、その指示に従って生きているだけの自由ではない存在なのだ、というネガティブな面が気になってしまう。

 

 剣を持ってロバに乗るシーンもあったりして、主人公の姿はドン・キホーテと重なる。皆が面白がって話題にするのは理解できるが、よく考えてみれば、貧しい生活を送りながら愛国心や神を信じることを説く彼は、いわゆるネトウヨ的人物だといえる。今なら未だにトランプ元大統領を崇拝していそうだ。

 

 ただ彼が他とは違うのは、群れないことだ。友人はいるが巻き込まず、いつでもただ一人で行動する。だからこそ彼に滑稽さを感じながらも、どこかで崇高さも感じてしまうのだろう。ドン・キホーテだって一人ではなく群れていたら、きっと魅力的ではなかった。残念な気分になるはずだ。 

 

  笑いよりも疲れが先に来てしまうコメディ映画だが、日本刀を持ってパキスタンを彷徨う主人公の姿や、お気に入りのジェームズ・ボンドについて語り合うCIA職員の姿など、ちゃんと笑えるシーンもある。

 

 それから結局主人公は目的を果たせないので、消化不良感のあるエンディングだ。そこをうまい感じに処理できていたらもっと良かった。

 

スタッフ/キャスト

監督/出演 ラリー・チャールズ


出演 ニコラス・ケイジ/ウェンディ・マクレンドン=コーヴィ/ラッセル・ブランド/ウィル・サッソー/デニス・オヘア/レイン・ウィルソン/エイドリアン・マルティネス/マシュー・モディーン/(声)マイケル・ユチャク

 

オレの獲物はビンラディン - Wikipedia

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