★★★☆☆
あらすじ
副大統領を救うも不興を買い、犯罪多発地域に左遷された刑事。アンジェイ・バートコウィアク監督によるヒップ・ホップ・カンフー三部作の第2作目。
感想
主人公が副大統領を救出するシーンから映画は始まる。テロリストにほぼ制圧されて、絶体絶命という状況から決死の覚悟で救出したのに、やり方が手荒いだのやりすぎだのと怒られ、主人公が左遷されてしまうのはよく意味が分からなかった。だがもっと別のやり方があったはずだと、結果論で非難されるのはよくある話ではある。
そして左遷先での同僚刑事らの不審な動きを察知して、独自に捜査に動き出す主人公。なんとなく彼が何をやっているのかは分かるのだが、具体的にどんな目的で行動しているのかが不明で、若干モヤモヤした。何かは分からないがなんか怪しいから探っているという事なのだろうが。
中盤はそんな感じで中だるみ感があるが、後半に向けて次第に盛り上がっていく。その幕開けとなるのは、主人公が敵に拉致され殺されかけるシーン。車内で縛られて自由が効かない状態で数人を相手に戦う。
しかしそんな圧倒的に不利な状況なのに、主人公は簡単に難を逃れてしまい、強すぎだろうと呆れてしまった。主人公がこんなに桁違いに強いのなら、この後に絶対負けることはないなと冷めてしまうほど。演じるスティーヴン・セガールがいつも同じ表情なので、余裕なのかピンチなのかがよく分からないのも良くない。
そしてクライマックスに向けてどんどんとアクションは激しくなっていく。ストーリーは大したことが無いが、結局アクションで魅せられてしまうというのは香港のカンフー映画と似ている。ただ格闘シーンは普通。それよりもカーアクションの方が迫力があり、リアルな交通事故を見ているような怖さがあった。
この映画は「ヒップ・ホップ・カンフー映画」と銘打っているが、前作の「ロミオ・マスト・ダイ」と比べると音楽はイマイチで、それだけでも楽しめるという感じではなかった。出演もしているDMXの「No Sunshine」が良かったくらいか。
丁寧に後日譚を描くのは雑な香港カンフー映画とは違うところ。そして、紅一点の美人署長がほとんど活躍もなく、あっさりと退場してしまったのには驚いた。美女すら不要の男臭いアクション映画といった所か。
スタッフ/キャスト
監督 アンジェイ・バートコウィアク
原作 EXIT WOUNDS (Orin Boyd Books Book 1) (English Edition)
出演 スティーヴン・セガール/DMX/イザイア・ワシントン/アンソニー・アンダーソン/マイケル・ジェイ・ホワイト/ジル・ヘネシー/トム・アーノルド/ブルース・マッギル/エヴァ・メンデス/ビル・デューク/クリストファー・ケネディー・ローフォード
音楽 トレヴァー・ラビン/ジェフ・ローナ/デイモン"グリース"ブラックマン
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