★★☆☆☆
あらすじ
片思いの女性に思いを告げられない漫画家の青年の前に、彼が漫画で描いた伝説のカンフーの達人4人が現れる。中国映画。
登場するのは映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」でジェット・リーが演じた黄飛鴻(ウォン・フェイホン)、「SPIRIT」でジェット・リーが演じた霍元甲(フォ・ユェンジャア)、「ドラゴン怒りの鉄拳」でブルース・リーが演じた陳真(チェン・ジェン)、「イップ・マン 葉問」でドニー・イェンが演じた葉問(イップ・マン)の4人。
感想
伝説の達人たちが登場する映画。日本だと宮本武蔵や柳生十兵衛らの剣豪が一堂に会すような夢のような映画と言ったところか。
だが多分日本では一番なじみが深いであろうブルース・リーらしき人物が出ていたので、彼の師匠であるイップ・マンとのコンビなのかなと思っていたら、明らかにイップ・マンぽいキャラクターにではなく、別の人物に対して師匠と呼んでいたので混乱してしまった。気になり過ぎたので映画を止めて調べてみたら、彼はブルース・リーではなく、ブルース・リーが演じたことで有名になった陳真(チェン・ジェン)というキャラクターだった。ややこしい。これはあまり中国武術の世界に詳しくないこちらが悪いのではあるが。
そのついでに言うと、敵側にいたいかにも武術の達人、みたいな人が、あまりカッコいいとは言えない変な髪型のお爺さんで、若者ばかりのキャストの中でめちゃくちゃ違和感があった。コメディ映画なので、カッコつけてる奇妙なお爺さんがとても強い、というギャグかと思っていたのだが、演じているブルース・リャンは有名な武術家でアクション俳優だった。日本だと若者に混ざって藤岡弘、が出ているようなものか。日本人的には違和感がないが、彼を知らない外国人が見たらおかしく感じるはずだ。
物語はそもそも恋愛に悩む主人公がなぜ武術の達人たちに助けを求めたのかがよく分からない。それに途中で主人公の恋愛は成就してしまったので、そこで物語は終わりだろうと思ってしまった。その後は、達人たちの恋愛模様に話が切り替わってしまう。主人公が余計な助けを求めてしまったばかりに、後処理の蛇足の話を延々とやっているだけのように感じてしまい、少々しんどかった。
アクション映画のカッコいいシーンもちょっと間違えればおかしな感じになってしまうことを示すような細かい笑いは面白かったし、そのアクション自体も本格的で見ごたえがあった。おかしなストーリーもそれ自体がギャグだと考えればいいのかもしれないが、どうにも個人的にはいろいろ気になってしまってしっくりこず、あまり楽しめなかった。
スタッフ/キャスト
監督 ジェフ・ラウ
出演 チウ・マンチェク/アンディ・オン/チャン・クォックワン/デニス・トー/シュー・ヤーシン/ マイ・ディナ/キングダム・ユン/ホン・ヤンヤン/ラム・ジーチョン
登場する人物
黄飛鴻(ウォン・フェイホン)/霍元甲(フォ・ユェンジャア)/葉問(イップ・マン)