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「バーニング・オーシャン」 2016

バーニング・オーシャン(字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 メキシコ湾沖の石油掘削施設が爆発し、混乱する現場の作業員たち。実際に起きた事件に基づいた映画。

2010年メキシコ湾原油流出事故 - Wikipedia

 

感想

 海上の石油掘削施設での出来事を描いた物語。掘削のメカニズムについて分かりやすく説明しようと工夫している事は良く分かるのだが、正直、完璧に理解できたとは言えなかった。ただそれでも雰囲気でなんとなく分かるので、映画を見る上では問題はない。

 

 しっかりと安全を確保した上で作業をしたい現場と、工期の遅れを取り戻したい上層部。よくある話ではあるが、カート・ラッセル演じる現場責任者が雰囲気に流されずにしっかりと安全を確保しようとする姿に感心する。そして上層部側も、圧力をかけはするが頭ごなしに命令するのではなく、ちゃんと責任者がゴーサインを出すのを待っている。緊張感のあるやり取りが続く。

 

 

 考えてみれば、雰囲気に流されたり鶴の一声で物事が決まってしまうというのは、誰も仕事をしていない無責任の極みなのだなと思い知らされる。自分はそういった場面に慣れ過ぎてしまっているのかもしれない、と静かに反省してしまった。皆が自分の仕事に責任を持ち、互いにそれを尊重することが出来なければ組織とは言えないだろう。

 

 突然の大事故に巻き込まれながらも、現場の責任者たちがちゃんと現場に戻って自分の責任を果たそうとする姿には胸が熱くなった。カート・ラッセル演じる男なんて、シャワーの最中に事故が起き、全身にガラスの破片が突き刺さっている状態だった。普通だったら心が折れてしまって、何もする気力が湧いてこなさそうだ。

 

 その他の作業員たちも、時に命を懸けて現場に戻る。オロオロするばかりの上層部とは大違いだが、現場の人間は何がマズいのか分かってしまうので、つい本能的に動いてしまうのだろう。ちなみにオロオロする上層部を演じたジョン・マルコヴィッチの演技は、名人芸の域で面白かった。

 

 上層部が咄嗟に動けないのは仕方がないが、彼らは彼らでやるべきことが本当はあるはず。ただ、それがわかりにくいのはもどかしい。彼らが危機を察知して命を顧みずに責任を果たそうとしたのか、分かっていながら逃げたのか、それが現場作業員並みに簡単に判断できればいいのだが、分かりにくいがために誤魔化されてしまいがちだ。

 

 ピーター・バーグ監督らしい、息つく暇もない展開。ダレることなくノンストップでエンディングまで持っていく。ハラハラさせられるパニック映画となっている。

 

スタッフ/キャスト

監督 ピーター・バーグ

 

製作/出演 マーク・ウォールバーグ

 

出演 カート・ラッセル/ジョン・マルコヴィッチ/ジーナ・ロドリゲス/ディラン・オブライエン/ケイト・ハドソン/イーサン・サプリー

 

バーニング・オーシャン(字幕版)

バーニング・オーシャン(字幕版)

  • 発売日: 2017/08/16
  • メディア: Prime Video
 

バーニング・オーシャン - Wikipedia

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