★★★★☆
あらすじ
史上最大規模の巨大地震が起こり、家族を助けるために現地に向かうレスキュー隊員。原題は「San Andreas」。
感想
巨大地震でダムは壊れて高層ビルは次々と崩れ落ち、そして大津波がやって来るディザスタームービー。とにかく映像の迫力がすごくて、それだけでも観る価値がある。これらはどうやって撮っているのだろうと思ってしまうが、当然CGなのだろう。実際にセットを作って壊していたら、予算がいくらあっても足りないはずだ。
甚大な地震被害の中、離婚寸前の妻と娘を助けに行くドウェイン・ジョンソン演じる主人公の姿と、たまたま知り合ったある兄弟と共に現地でサバイブする娘の姿が並行して描かれていく。レスキュー隊員でドウェイン・ジョンソンである主人公がすごいのは当然だが、セクシーで美人な娘が高いサバイバル能力を見せるのはカッコ良かった。善人だが頼りない兄弟をリードして、生き残るために全力を尽くす。強い男がか弱い女を導くというよくあるパターンとは逆で、それが新鮮で良かった。
そんな頼りない兄弟だが、彼らが共に行動するきっかけとなった、車の中で動けなくなった彼女をジャッキを使って救出するシーンは、アイデアが効いていて面白かった。それからクライマックスで母親が見せた、ボートで建物に突っ込む男らしい姿には胸を打たれた。彼女はそれまで夫にただ従うだけだったのに急に変わったなと思ったが、娘のためならそれくらいやるか。
家族救出のために必死になる主人公の姿は、家族から見たら当然文句なしに素晴らしいが、レスキュー隊員としてはどうなの?と思わなくもない。途中で一瞬だけ周囲の人達を避難させる一幕があったが、それ以外のシーンでは他の被災者には一切目もくれず、ただ家族を助けることしか考えていなかった。でもそれが批判するべきポイントではなく、ただの面白ポイントに思えてしまうほどに映画を楽しめた。
この映画は時期的にも内容的にもきっと東日本大震災から着想を得ているはずで、それをエンターテイメント作品に仕立てられちゃったかと少し複雑な気分があるし、実際に被害にあった人は色々と思うところもあるだろうが、地震はいつでもどこでも起きうるものだし、そのための啓発映画として捉えることも出来るので、あまり考えすぎない方がいいのだろうという気はする。少なくとも説教臭いヒューマン映画を撮られるよりは何万倍もましだ。
あと、エンドロールで流れるシーアの「California Dreamin'」のカバーが良かった。
スタッフ/キャスト
監督 ブラッド・ペイトン
出演 ドウェイン・ジョンソン/カーラ・グギノ/アレクサンドラ・ダダリオ/ヨアン・グリフィズ/アーチー・パンジャビ/ポール・ジアマッティ/ウィル・ユン・リー /カイリー・ミノーグ/コルトン・ヘインズ
カリフォルニア・ダウン 【字幕版】 | 映画 | 無料動画GYAO!