★★★☆☆
あらすじ
別々の理由でそれぞれ居残りを命じられ、地下室で作業をしていた4人の高校生は、見つけたテレビゲームで遊ぼうとしたところ、ゲームの世界に入り込んでしまう。
シリーズ第2作。119分。
感想
20年ぶりの続編で、ゲームの「ジュマンジ」もボードゲームからテレビゲームへと変貌している。そして内容も一人ずつサイコロを振る双六形式から、皆でクリアを目指すアドベンチャーRPG風ゲームに変わった。そもそもゲームの主旨が分からずモヤモヤしてしまった前作の問題は解消されており、変なところで引っ掛かりを覚えることなく素直に物語を楽しめる。
主人公はオタクの少年で、体育会系の元友人にイケてる女子、そしてひねくれ者の少女と共に、4人でゲームクリアを目指すことになる。ゲームの世界では彼らが選んだゲームキャラクターに姿が変わるので、オタクの少年がムキムキの筋肉男に、イケてる女子が小太りの中年男になるのが面白い。
動物学者のキャラになった体育会家の男が、知らないはずの動物の知識がすらすらと出てくることに自分で驚いているシーンは可笑しかった。それから、小太りの中年男になったイケてる女子役をジャック・ブラックが熱演している。ひげ面の彼が、本当にイケてる女子に見えてくるから不思議だ。
いつもとは違う自分のキャラに戸惑う主人公らの様子をコミカルに描きつつ、自分とは違う容姿や価値観を持つ人たちの立場になって考えてみることの大切さも伝えていて、よく出来た設定だ。ひとりよがりでわがままだった彼らに、他者を思いやる気持ちが芽生えている。
ジャングルが舞台なので、いくつものミッションをこなしながらゲームクリアを目指す本格的なアクションアドベンチャーになるのかと想像していたのだが、ミッション自体が少なくて、その点では物足りなさがあった。それよりも前述の各キャラやその関係性を描くことに注力している印象だ。
ゲームなので2回までは死んでも大丈夫な設定となっており、多少緊張感に欠けるなと思っていたのだが、終盤で「現実世界では一回死んだら終わりなんだぞ」と言及することで逆にうまくそれを活用している。その他、同じことしか喋らないキャラが登場したりと、ゲームのあるあるネタも散りばめられており、クスリと笑わせられる。
前作の現実世界がジャングル化していくようなシュールさはなくなってしまったが、ちょっと風変わりな冒険ものとしてそこそこ楽しめる映画となっている。
スタッフ/キャスト
監督/製作総指揮 ジェイク・カスダン
原作 ジュマンジ
製作総指揮/出演 ドウェイン・ジョンソン
出演 ジャック・ブラック/ケヴィン・ハート/カレン・ギラン/ニック・ジョナス/ボビー・カナヴェイル/アレックス・ウルフ/マディソン・アイズマン/サーダリウス・ブラウン/モーガン・ターナー/リス・ダービー/コリン・ハンクス/ティム・マシスン/ミッシー・パイル
ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル - Wikipedia
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