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「ダンディー少佐」 1965

ダンディー少佐 (字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 南北戦争中のアメリカ。アパッチ族に味方の中隊が全滅させられたことを知った北軍のダンディー少佐は、志願兵を募って討伐に向かう。

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感想

 冒頭でアパッチ族による残虐な皆殺しの現場が映し出される。苛烈なスタートだったので、主人公率いる部隊とアパッチ族との血で血を洗うような激しい戦いが繰り広げられるのかと思ったが、全然そんなことはなくて拍子抜けしてしまった。何度か戦闘シーンはあるが、メインは主人公率いる部隊の行軍の様子だった。

 

 主人公であるダンディー少佐は、閑職に追いやられて捕虜収容所の所長を務めている。功を焦る彼が独断で討伐を決めたため、率いる部隊は非正規で、経験の浅い若手や黒人部隊、そして捕虜の南軍の兵士や犯罪者からの志願兵、さらにはアパッチ族の協力者から構成されている。これだけバラバラの人間が集まっていれば、行軍中に色々起きるのは当然だ。今なら多様性があると褒められるかもしれない。

 

 

 この寄せ集め軍の中に、敵である南軍の捕虜が武器を持って加わっているというのもすごい。裏切られたり逃げられたりしそうで怖いが、軍人には軍人の矜持があり、それを信用しているのだろう。この捕虜軍を率いる大尉は、主人公のかつての友人で深い因縁があり、愛憎入りまじった複雑な感情を見せている。

 

 この主人公と大尉の緊張感のある関係が軸となり、物語は進行する。だがこの他にも立ち寄った村で美女と恋に落ちたり、浮気がバレて慌てたり、急に自信喪失して自暴自棄になったりするメロドラマ的展開もある。色々なことが起きてバラエティに富んだ物語だと言えるのかもしれないが、それよりも散漫な印象の方が強かった。エピソードごとに区切って、大河ドラマのような連続ドラマにすると上手く行きそうではある。

 

 行軍する部隊も、いつの間にかアパッチ族だけでなくフランス軍も敵に回すようになって、段々と目的がよく分からなくなってくる。数回しかない戦闘シーンも団子状態でもみ合うだけで大して見どころはなかった。リアルといえばリアルなのかもしれないが。

 

 見る前に激しい戦いを期待してしまっていたのがいけないのだが、想像していたよりも牧歌的で冗長に感じてしまう映画だった。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本

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出演 チャールトン・ヘストン/リチャード・ハリス/ジョン・デイヴィス・チャンドラー/センタ・バーガー/マリオ・アドルフ/ブロック・ピーターズ/ウォーレン・オーツ /ベン・ジョンソン/R・G・アームストロング/L・Q・ジョーンズ/スリム・ピケンズ

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ダンディー少佐 - Wikipedia

 

 

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