★★★☆☆
あらすじ
遊星の地球衝突を回避する作戦を実行するために、宇宙ステーション「ガンマー第3号」に向かった主人公。
感想
遊星爆破のためにまずは宇宙ステーションに向かった主人公。50年以上前の作品なので、宇宙の映像は今と比べたら全然ショボいのだが、手作り感のある特撮映像は味があってなんかいい。宇宙ステーションや宇宙船の丸みのある造形も、なんとも言えず可愛らしい。道具でも何でも最初はボテっとしたしたデザインで、そこから少しずつ洗練してシュッとした形となっていくものだが、この初期のナチュラルなデザインというものは、何でも自分で作っていた人間に眠る原始の記憶を刺激して、案外いつの時代でも人の心の琴線に触れるものなのかもしれない。
宇宙ステーションから遊星に向かった一行は、意外とあっさりとミッションを完遂させてしまう。まだ時間もたくさん残っているしこの後どうなるのだ?と思っていたら、ここからが本番で、遊星から連れ帰ってしまった謎の生命体との戦いが始まる。この生命体の造形もまた、宇宙人というよりは怪人風で、いかにも中に人が入っていますというちゃちな姿をしているのだが、どこかゆるキャラ風でもあって愛らしさがある。
生命体との戦いは、今だと時代を感じてしまって、プロットも映像も大したことがないのだが、外にうようよいる生命体たちの様子や、宇宙を遊泳するというよりも飛んでいる乗組員たちの姿、そして落下する宇宙ステーションなど、時々ハッとするような美しい映像があって悪くない。最後は何度も衝突を繰り返していた乗組員との胸アツの展開があったりして、それなりに楽しめた。
当時の観客はおそらくこの映画をドキドキしながら見ていたのだろうが、当時とはまた違った味わい方のある、なんだか憎めない映画だ。
スタッフ/キャスト
監督 深作欣二/田口勝彦
出演 ロバート・ホートン/リチャード・ジャッケル/ルチアナ・パルッツィ/エンバー・アルテンバイ/リンダ・ハウゼスティ
音楽 津島利章
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