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「キャプテン・フィリップス」 2013

キャプテン・フィリップス (字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 指揮を執っていたコンテナ貨物船がソマリア沖で海賊に襲撃され、彼らにひとりだけ拉致されてしまった船長。

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 2009年に起きた「マースク・アラバマ号乗っ取り事件」を基にした映画。134分。

マースク・アラバマ号乗っ取り事件 - Wikipedia

 

感想

 ソマリア沖に海賊が出るとは聞いていたが、まさか彼らが漁船のような小船を使っているとは思わなかった。そんなのでは巨大なコンテナ貨物船には太刀打ちできないだろうと思ってしまうが、相手は非武装で人数も少ないから、乗り込んでしまえば武器で割と簡単に制圧できてしまうのか。

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 最初は巨大な船が小さな船にビビっているのがどこか滑稽にすら見えてしまっていたが、彼らが船に乗り込むのを許した途端、一気に乗っ取られてしまったのには恐怖を覚えた。しかしコンテナ船も、武装しろとは言わないが、もうちょっと対策すればいいのに、とは思ってしまった。とはいえ、滅多にないことなのでコスト的に見合わないのかもしれない。

 

 それから海賊に狙われていると判明した時に、乗組員らが海賊と戦うほどの給料は貰っていないと船長に訴えるシーンはとても印象的だった。彼らが、自分の仕事は給料に見合っているのか、常にちゃんと意識して働いていることがよく分かる。彼らのような人間ばかりだったら、きっとブラック企業などこの世に存在できないだろう。

 

 事前に情報をキャッチしてしっかりと襲撃に備え、襲われたら最後の最後まで冷静に指揮し続け、制圧されても船員を守って毅然と対応する船長の姿には感心し、尊敬の念が生まれる。だが彼からしたら、そのための給料を貰っているので当たり前な話なのかもしれない。それからなんだかんで必死に戦う乗組員たちの姿にも胸が熱くなった。こちらは文字通り命がけだったからだろう。

 

 

 何とか船と乗組員を守ることは出来たものの、船長は海賊たちに拉致されてしまう。狭い船内で苛立つ海賊と過ごす、じりじりとした時間は、見ているだけでも精神的にしんどかったが、その外で着々と救出作戦を進めるアメリカ海軍の頼もしさと言ったらなかった。

 

 まず誰にも迷いがない。すべてが想定の範囲内とでも言うように、何が起きても全く動じることなく、常に落ち着いて事を進めている。そして粘り強い。ある程度の準備が整うと最後は勢いで一か八かの賭けに出たくなるものだが、そこをぐっとこらえてあくまで作戦成功の確率を高めることにこだわる。そして焦らずその時が来るのをじっと待っている。

 

 映画なのでプロパガンダ的に話を盛っている部分はあるのかもしれないが、こんな頼れる軍隊を持つ同盟国がいるのに、どうせオロオロしてズルズルと先延ばしし、結局最後はグダグダになる日本が、わざわざ軍備を強化する必要があるの?と思ってしまった。せっかくセコムに入ったのに、食費を削って家を要塞化し、仕事を辞めて格闘技を習い始めるようなものだ。

 

 共に戦いたいのはやまやまだけど憲法上できないので、うちは専守防衛と外交で頑張らさせていただきます、嫌なら関係を解消してもいいよ、とバカなふりをした強気の態度でいた方が得る物は多いような気もする。仕方がない、仕方がない、と言っていても仕方がない。

 

 冷静に対応し続けた船長だが、ついに抑制が利かなくなってしまうクライマックスは凄まじかった。抑えようとしてもとめどなく感情があふれ出してしまう様子を、トム・ハンクスが圧巻の演技で表現している。極限まで追い詰められた船長の精神状態が良く伝わってくると同時に、最初から完璧な人間なんていない、ということも教えてくれる。

 

 緊迫感のあるシーンの連続で目を離すことが出来ず、2時間を超える上映時間もあっという間だった。見ごたえ十分の映画だ。

 

スタッフ/キャスト

監督 ポール・グリーングラス

 

脚本 ビリー・レイ

 

原作 キャプテンの責務


製作総指揮 エリ・ブッシュ/グレゴリー・グッドマン/ケヴィン・スペイシー

 

出演 トム・ハンクス/バーカッド・アブディ/バーカッド・アブディラマン/ファイサル・アメッド/キャサリン・キーナー/デヴィッド・ウォーショフスキー/コーリイ・ジョンソン/マックス・マーティーニ/ユル・ヴァスケス/クリス・マルケイ/クリス・マルケイ

 

音楽 ヘンリー・ジャックマン

 

キャプテン・フィリップス - Wikipedia

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