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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「グレート・ビューティー/追憶のローマ」 2013

グレート・ビューティー 追憶のローマ(字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 パーティ三昧の華やかな生活を送る新作を書けない作家。142分。アカデミー賞外国語映画賞受賞作。

 

感想

 いかにもヨーロッパ映画というような抽象的で難解な映画だ。イタリアなのでフェデリコ・フェリーニ的というべきか。特に序盤はセリフもほぼなく、音楽やダンスが続いて、もしかしてずっとこんな感じが続くのかと不安になってしまった。

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 この手の映画は眠気に誘われてしまいがちだが、2時間以上もあるこの映画は、不思議な事にそんな事なくずっと見ていられる。 おそらくはローマの美しい風景やノリの良い音楽やダンス、人々の洒落たファッションなどで惹きつけているからだろう。ダレることがないようにそれらがバランスよく散りばめられている。

 

 ストーリーを追うというよりも、そんなイメージの積み重ねのようなものを眺めているうちに、次第に心に浮かぶのは人生についてだ。色んな人の人生と、そして自分の人生に思いを馳せるようになる。特に、一見華やかだがその実、自分を誤魔化しながら生きている空虚な人々の前に、100歳を超える聖女が現れた時の、その対比は強烈だった。一生をかけて何かに打ち込んできた人を前にしてしまうと、誰だって自分の人生はこれで良かったのかと考えずにはいられないだろう。それにしてもこの老女の存在感はすごかった。

 

 

 それから印象的だったのは、キリンが登場するシーンだ。キリンという動物は実在するから何でもないように思ってしまっているが、よくよく見るとこの縦に細長い生き物はめちゃくちゃ不思議な造形をしている。映像にこの動物がいるだけで一気に異空間にいるような不思議な世界となっていた。

 

 何がどういいのかはうまく言葉で表現できないのだが、ついつい見続けてしまうような、不思議な魅力がある。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本/原案 パオロ・ソレンティーノ

 

出演 トニ・セルヴィッロ/カルロ・ヴェルドーネ/サブリナ・フェリッリ/カルロ・ブチロッソ/ジョヴァンナ・ヴィニョーラ/イアイア・フォルテ/パメラ・ヴィロレッジ/ガラテア・ランツィ/フランコ・グラツィオージ/ソーニャ・ゲスナー/ジョルジョ・パソッティ/ジュジ・メルリ/ルカ・マリネッリ/マッシモ・ポポリツィオ/セレナ・グランディ/イヴァン・フラネク/ロベルト・ヘルリッカ/イザベラ・フェラーリ/ファニー・アルダン/アントネッロ・ヴェンディッティ

 

撮影 ルカ・ビガッツィ

 

グレート・ビューティー/追憶のローマ - Wikipedia

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