★★★★☆
あらすじ
嵐の夜、モーテルに集まった宿泊客が一人ずつ殺されていく。90分。
感想
陸の孤島のような嵐の夜のモーテルで、次々と宿泊者が殺されていくストーリーだ。いわくありげなカップルや移送中の凶暴犯、怪しげな警察官など、どのメンバーも皆いかがわしいキャラクターなのが面白い。彼らの紹介を兼ねながら、一人ずつモーテルに訪れるまでの過程を時間軸を入れ替えながら描く演出も良かった。
次々と人が死んでいく中、宿泊者たちは安全のために一つの部屋に集まり待機しようということになる。だが皆が割と普通に勝手に部屋を出ていくことに呆れてしまった。次は自分が殺されるかもしれないというのに、のんきに他の心配事を気にかけている。優先順位がめちゃくちゃだろうと思ってしまったが、よく考えてみたらコロナ禍初期によく見られた光景でもある。人類のどうにもならない残念な性質なのだろう。映画では死亡フラグになる。
不可解な出来事が多くて訝しく思いながらも、誰が犯人だろうかと色々と推理しながら見ていたが、さすがに辻褄が合わなさすぎだろうと呆れそうになったところでこの連続殺人事件の種明かしがされる。このタイミングが絶妙で、もし早すぎたら興醒めしていたし、遅すぎたら関心を失っていたと思う。これによりそれまでの出来事に納得感が生まれ、その後の展開にますます興味が出てきた。
若干、そういうことだったらもう何でもありだなと思わないこともなかったが、なかなか面白い設定だ。本筋との関連性がよく分からなかった冒頭のシーンとも見事につながったことで、クライマックスに向けて気持ちが盛り上がっていった。ラストもこの展開だったらそうだろうなと予想できそうなものではあったが、ちゃんといいオチが用意されていた。良いアイデアと良いプロットの映画だった。上映時間が無駄に長くないのもいい。
スタッフ/キャスト
監督 ジェームズ・マンゴールド
出演 ジョン・キューザック/レイ・リオッタ/レベッカ・デモーネイ/ジェイク・ビジー/アマンダ・ピート/ジョン・ホークス/クレア・デュヴァル/ジョン・C・マッギンリー/プルイット・テイラー・ヴィンス/アルフレッド・モリーナ
音楽 アラン・シルヴェストリ