★★★★☆
あらすじ
子供の頃に家出をして島を出ていった厄介者の男が、故郷に錦を飾るために戻ってくる。シリーズ第2作。
感想
岩下志麻演じるヒロインが、幼少の頃の主人公との思い出を語る回想シーンから物語は始まる。これが結構長くて、なかなかハナ肇も岩下志麻も出てこなくて焦れったかった。ただ、ヒロインのせいでまだ幼い主人公が誤解されて怒られ、島を出ていってしまうという大事なシーンではある。
それから何年か経ち、故郷に錦を飾るために戻ってきた主人公。ここでようやくハナ肇と岩下志麻が登場する。この映画での岩下志麻はいかにも清純派の女優といった佇まいで可愛らしい。「極道の妻たち」のイメージがあるだけに、余計意外に感じた。ということは逆に、リアルタイムで彼女を見てきた人は「極道の妻たち」のあのキャラクターはイメージと違って驚いたということだろう。
主人公は事あるごとに誤解され、島の人間に邪険にされてしまうという損な役回り。それでも全くめげず、そんなことに気付いていないかのように振舞う姿に悲哀がある。ハナ肇の自分を鼓舞するようなあの笑い方がいい。そして何かのきっかけで島を出ていくが、それでもまた戻ってくる。
主人公が繰り広げる騒動の裏で、主要産業だった漁業が衰退してしまい、静かだった島が次は観光だとホテルを建て、賑やかしの声が延々と響き渡る騒々しい島へと変わっていく姿が描かれている。あえてその後を想像するなら、観光業は衰退し過疎化が進んだ、となるのだろう。そして、よく考えると今この道を日本全体が進んでいるのかと寂しい気持ちになる。
前作はドタバタぶりがあまり笑えなかったが、今回はちゃんと笑える人情喜劇になっていた。誤解されたり色々あって、何度も島を出ていっては戻ってきた主人公だが、最後は自分のやらかしが原因なので、もう島に戻ることはないのだろうと最後はしんみりとした気分になった。
スタッフ/キャスト
監督/脚本
出演 ハナ肇/岩下志麻/花沢徳衛/犬塚弘/松村達雄/殿山泰司/穂積隆信/谷晃/なべおさみ
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