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「キリング・ミー・ソフトリー」 2002

キリング・ミー・ソフトリー (字幕版)

★★☆☆☆

 

あらすじ

 出会った日から激しい恋で結ばれた二人だったが、やがて妻は夫を疑いの目で見るようになる。

 

感想

 出会った日から結ばれてしまう二人。いわゆる官能サスペンスだが、このシーンからしてすでに危険なものを感じさせる。一目会った時から互いに惹かれあったのだとしても、いきなりそんな事までは求めていなかった可能性だってあったわけで、一つ間違えたら普通に犯罪事件になっていてもおかしくなかった。こういった際どい描写を積み重ねることで、危険な雰囲気を醸し出す事には成功しているようには思える。

 

 ただ、いきなりそんな事をしてしまうような男はろくでもないのでは?と疑いを持ってしまいそうなものだが、その前にあっさりと二人が結婚してしまったのは意外だった。いくら何でもその前に気持ちの探り合いのようなものをするのかと思っていたので、勢いがありすぎるというか、それだけで結婚を決めてしまうのは軽率すぎるというかで、あり得ないような感じがしてしまった。それに万に一つ、そんな事があったとしても、一緒に暮らし始めてしまったらさすがにそれだけではやっていけないので、色々な話をするようになるはずだ。結婚しているのに相手のことを何も知らないなんて、あまりにも不自然すぎる。

 

 

 登山家として有名な夫の悪い噂を聞いたり、不審な手紙を受け取ったりするうちに、主人公は次第に夫に不信感を募らせてゆく。それは夫の周辺を探ることで、ますますその疑いは強くなっていく。そんな妻の態度の変化を夫は敏感に感じ取っているのだが、疑いが晴れるような説明をすることはなく、いかにもサスペンス映画の怪しいヤツといった態度を取るばかりだったのは不思議だった。映画的には正しいが、夫婦としては間違った対応をしている。全く夫婦とは思えない他人行儀な二人の行動が目立った。

 

 疑惑を深め、緊張感を高めるというサスペンスとしての盛り上がりはそれなりに感じられたのだが、肝心のクライマックスはかなりがっかりな内容だった。主人公があの場所になぜ死体が埋まっていると考えたのかはよく分からず、そこで撮った写真があるからといってそんなわけないだろうと思っていたのだが、本当にそこから死体が出てきて、そんなわけあるのかよ、と主人公の突然の名探偵ぶりに驚いてしまった。このラストに至るまでの強引な幕引きの仕方は、スッキリするというよりも逆に疑問が次々に浮かんでしまうような釈然としないものになってしまっている。かなり雑なエンディングにだいぶ白けてしまう映画だった。

 

スタッフ/キャスト

監督 チェン・カイコー

 

原作 優しく殺して (角川文庫)

 

製作総指揮 アイヴァン・ライトマン/ダニエル・ゴールドバーグ

 

出演 ヘザー・グラハム/ジョセフ・ファインズ/ナターシャ・マケルホーン/イアン・ハート/ウルリク・トムセン/キカ・マーカム

 

音楽 パトリック・ドイル

 

キリング・ミー・ソフトリー - Wikipedia

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