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「架空OL日記」 2020

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★★★☆☆

 

あらすじ

 銀行に勤めるOLたちの日常を描く。

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感想

 OLたちの日常が描かれていく。主演のバカリズムが特に女キャラに徹するわけではなく、素の感じで普通にOLたちに混じっているのが面白い。最初はこの感じで行くのか?と違和感があるのだが、いつの間にかそれは気にならなくなっている。

 

 女子更衣室や食堂でのランチなど、ほぼ女たちだけの空間で繰り広げられる女同士のゆるい会話がメインとなる。各シーンのやり取りがどれもコントのようで思わず笑ってしまう。登場するOLたちもみな個性的だ。

 

 

 彼女たちの会話の内容は、他愛もない空想話から日常生活の中で気になること、そして同僚や仕事のことなどで、どこの会社のOLたちも交わしていそうなものばかりだ。その中で結構な毒舌を吐いたりもするのだが、印象的だったのは、彼女たちが決して女性の悪口は言わないことだった。男性社員はこっぴどくこき下ろすが、女性に対しては悪口にならないようにその一歩手前で慎重に自制している。

 

 決定的な悪口を言わないことが、女性がゆるく連帯できる秘訣なのかなと思わなくもないが、そもそもこれは女性の集団に対する男の妄想を描いたものなので、何もかも間違っている可能性はある。主人公だって、同僚のOLたちとの距離感にはそれぞれ濃淡がある。仲の良いグループ内で他の女性の悪口を言うこともあるのだろう。

 

 基本的にはちゃんと笑えて面白いのだが、その一方で、これをわざわざ2時間ぶっ続けで見る必要はないのかな、という気もしてしまう。映画全体を貫くような物語はなく、ただ淡々と日常が綴られていくだけなので、時々集中力が切れそうになってしまった。これを30分ごとに切り分けて連続ドラマにしても別に問題ないよなと考えたのだが、そもそも元はテレビドラマだったようだ。

 

 ドラマは見ていないので詳細は不明だが、おそらくこの映画と同じような空気感だったのだろう。だからもし、劇場版だからと張り切って恋愛要素を加えたり、銀行強盗に襲われる展開にしたりすると、きっと「ドラマ版のテイストのままで良かったのに。余計な事すんな」と思ってしまうような気がする。そのままやると冗長だし、大きなドラマを入れるとコンセプトが崩れてしまうしで、ロングバージョンを作るのはなかなか難しい内容なのかもしれない。おそらく、映画ではなく、連続ドラマの第二弾をやればよかったのだろう。なんでも映画化すればいいってものでもない。

 

スタッフ/キャスト

監督 住田崇

 

脚本/出演 バカリズム

 

原作 架空OL日記 1 (小学館文庫)

 

出演 夏帆/臼田あさ美/佐藤玲/山田真歩/三浦透子/シム・ウンギョン/石橋菜津美/志田未来/坂井真紀

 

架空OL日記 - Wikipedia

 

 

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