★★★★☆
あらすじ
一目惚れした女性を追って、相棒と共に3000マイル先の高級リゾート地に向かった男。
原題は「Dumb and Dumber」。113分。
感想
間の抜けたコンビによるロードムービーだ。コテコテの笑いが満載の、好き嫌いが分かれるコメディで、最初は微妙な空気が流れているのだが、主演のジム・キャリーに最終的には力づくで笑わせられてしまう。こんなにしつこく全力でやらてしまったら、呆れてもう笑うしかない。
序盤にオーストラリアとオーストリアを間違えるネタがある。このくだりは彼の別の映画でも見たことがあるような気がするのだが、これは彼の得意ネタみたいなものなのだろうか。あるいは監督・脚本のファレリー兄弟が好きなネタなのかもしれない。
主人公ふたりは、基本的に五歳児の子供のように振る舞う。ヒッチハイクを装って彼らの車に同乗した凶悪犯が、車内でキャッキャと大騒ぎする二人にうんざりしてしまう場面には笑ってしまった。わんぱくな五歳児たちがいるところになんて、わざわざ行きたい大人なんていないだろう。
いくつかあった汚すぎるネタには閉口してしまったが、山盛りのベタな笑いに、ロード―ムービー感やポップな音楽、初々しく爽やかな恋愛風味を織り交ぜることで、全体的になんとなくいい感じの雰囲気にしてしまう演出は上手い。ジム・キャリーの底力もあって、なんだかんだで笑えて、楽しめてしまった。
そしてバスに乗った美女たちに誘われるエンディングのネタは、なかなか人間の本質をついているかもしれない。政治的なことから身近な問題まで、もっと幸せになれる選択肢があるにもかかわらず、人はなぜかそれを選ぼうとせず、いつも通りの選択をしてしまう。そして、自らそんな選択をしておきながら、幸せになりたいなぁとボヤいていたりする。
これは世間でわりとよく見られる光景かもしれない。最後に色々と考えさせられてしまった。案外と深い。
スタッフ/キャスト
監督/脚本 ピーター・ファレリー/ボビー・ファレリー*
*監督はクレジットなし
出演 ジム・キャリー/ジェフ・ダニエルズ/ローレン・ホリー/マイク・スター/チャールズ・ロケット/ハーランド・ウィリアムズ/テリー・ガー
音楽 トッド・ラングレン
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