★★★★☆
あらすじ
刑期を終え出所した女は、服役中に計画した大規模な犯罪を実行するために仲間を集め始める。「オーシャンズ」シリーズのスピンオフ作品。
感想
サンドラ・ブロック演じる主人公が出所するシーンから物語は始まる。殊勝に更生の弁を述べた後の、一転して全然反省の色が見えない態度、そして早速の万引き・詐欺などの軽犯罪を次々と行う流れは面白かった。しかも軽犯罪の手口がどれも鮮やか。やっぱりこういうのは堂々とやることが大事なのだなと実感した。それから全然関係ないが、殊勝に語るサンドラ・ブロックが時々、マイケル・ジャクソンに見えた。
服役中に計画した犯罪を実行に移すために、仲間を集め始める主人公。今回、当初は全部で7人の予定だった。この人数だと各メンバーにちゃんと見せ場が用意できるし、見る方としても覚えきれずに混乱することがない。群像劇はこれくらいの人数がちょうど良いということなのだろう。メンバーは皆キャラクターが立っていて良かったが、中でもアジア系のオークワフィナ演じるストリート系でガサツなスリの達人が面白かった。
それからアン・ハサウェイがいじられ役を楽しそうに演じていたのが印象的だった。自身のパブリック・イメージを逆手にとって遊んでいる。こういうことが出来るのは器がデカい人だ。最後にちゃんとイメージ回復の場が設けられ、ただのネタキャラで終わらせなかったのも上手い。
そしてついに計画実行の日が訪れる。細かいトラブルはいくつかあったものの、概ねは計画通りに事が進む。ちょっとうまく行き過ぎかなと思わなくもないのだが、華麗で鮮やかな手口の犯罪者たち、というコンセプトの映画なので、それを楽しむのが趣旨なのだろう。たまにはこういうのも悪くない。それに、事件の現場から着飾って優雅に逃走するというのは、うまいアイデアで洒落ていた。最後に観客には隠されていた事実を明らかにして、驚きも与えてくれる。全体的にゴージャスな雰囲気で音楽も良く、エンタメ作品として十分に満足させてくれる内容だった。
スタッフ/キャスト
監督/脚本 ゲイリー・ロス
製作
出演 サンドラ・ブロック/ケイト・ブランシェット/アン・ハサウェイ/ミンディ・カリング/サラ・ポールソン/オークワフィナ/リアーナ/ヘレナ・ボナム=カーター/リチャード・アーミティッジ/ジェームズ・コーデン/ダコタ・ファニング/エリオット・グールド/シャオボー・チン
音楽 ダニエル・ペンバートン
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