★★★★☆
あらすじ
目的地に向かう途中で事故のため冷凍休眠から目覚めた宇宙移民船の乗組員たちは、近くで発見した地球によく似た環境の惑星に降り立つ。
「エイリアン」シリーズ第6作目で、前日譚シリーズ第2作目。
感想
前作とは違う女性が主人公となる前日譚シリーズの第2作目だ。「エイリアン」シリーズは前作の生き残りのメンバーを容赦なく殺してしまうのが特徴だったが、まさか主人公まで殺してしまうとは驚いた。大胆だ。だが前作の主人公の活躍をもっと見たかった気持ちもある。
今回の主人公は、前作から11年後の宇宙移民船の乗組員の女だ。前作の主人公がラストで向かった惑星に、他の乗組員たちと共に降り立つ。そして、静かだった前作とはうって変わり、さっそく仲間たちがエイリアンに襲われ始める。
従来のシリーズらしい展開だ。「エイリアン」映画に期待する要素がちゃんと詰め込まれている。生まれたばかりの小っちゃいエイリアンも可愛いかった。そして、だから前作だけタイトルに「エイリアン」の名を冠していなかったのかと納得してしまった。いわゆる「エイリアン」らしさは期待しないでね、ということだったのだろう。
エイリアンとの戦いと共に、前日譚としての物語もしっかりと機能している。「エイリアン2」で描かれたエイリアン・エッグ(エイリアンの卵)が登場したときはテンションが上がった。
そして前作から引き続き登場するロボットの「2001年宇宙の旅」のHALのような怪しい動きに、もはやエイリアンよりもこっちの方がヤバイだろうとなってくる。このあたりは前作のような難解さはなくなり、シンプルで分かりやすく描かれていて良い。
ラストは脱出船にこっそりと乗り込んでいたエイリアンとの戦いだ。定番の流れでしっかりと盛り上げてくれた。ただ主演のキャサリン・ウォーターストーンは、デミ・ムーアぽい雰囲気はあるがあまり力強さを感じず、そんなに印象には残らなかった。これはこれで、典型的な強い女ではない新しい女性のヒーロー像を提示しようとしたのかもしれない。
たっぷり匂わせておいての後味の悪いエンディングも良かった。前日譚シリーズの流れ的に、予定されている続編に主人公は登場しないのかもしれない。そして、続編はもはやエイリアンどころではなく、別の話になってしまうような気がするが、どんな展開にしてくるのだろうと興味深い。
スタッフ/キャスト
監督/製作
製作 デヴィッド・ガイラー/ウォルター・ヒル/マーク・ハッファム/マイケル・シェイファー
出演 マイケル・ファスベンダー/キャサリン・ウォーターストン/ビリー・クラダップ/ダニー・マクブライド/デミアン・ビチル/カルメン・イジョゴ/エイミー・サイメッツ/ ジャシー・スモレット/ジェームズ・フランコ*/ガイ・ピアース*/(声)ノオミ・ラパス*/(写真)ローガン・マーシャル=グリーン*
*クレジットなし
音楽 ジェド・カーゼル
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前作 前日譚シリーズ第1作目 シリーズ第5作目