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「聖杯たちの騎士」 2016

聖杯たちの騎士(字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 ハリウッドで成功するも虚しさと家族の問題を抱えながら生きる男の日々。

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 原題は「Knight of Cups」。

 

感想

 主人公の日々が断片的に描かれていく物語だ。ストーリーらしきものは無く、彼の人生の一瞬を切り取ったイメージのようのものが詩的に紡がれていく。主人公がハリウッドで成功したらしいことは読み取れるが、具体的にどんな職業なのかさえ曖昧で、描かれているストーリーの時系列も不明と、物語を読み解くとっかかりみたいなものが見い出しにくかった。

 

 後でちょっと調べて見たら、この映画のタイトルはタロットカードから取られており、内容も「絞首刑の男」「女教皇」等、タロットカードにちなんで付けられた章で構成されていることが分かった。おそらくタロットカードの知識があれば、各章のエピソードをより楽しむことが出来たのだろう。

 

 そういえば「女教皇」などは、他の映画やドラマの中でもたまに耳にすることがあるワードのような気がするが、あれもタロットカードになぞらえていたのかと今気付いた。名前くらいしか知らなかったが、タロットカードの知識もある程度持っておいた方が良さそうだ。この映画ではこのほか、キリスト教関連の引用もいくつか見られるので、知っておいた方がいいことはまだまだ世の中にたくさんあるのだなと気が遠くなる。

 

 ストーリーが抽象的で断片的なイメージの連続となると、つまらなくて眠たくなってしまいそうなものだが、全然そうはならないのがこの映画の凄いところだ。美しい映像で意味深なシーンがテンポよく続くのでついつい見入ってしまう。ケイト・ブランシェットやナタリー・ポートマンなどの豪華女優陣が順番に登場するも大きいだろう。全然見ていられる。

 

 

 様々な過去を抱え、様々な経験をしながら人生は続いていく。そんな物語だろうか。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 テレンス・マリック

 

出演 クリスチャン・ベール/ケイト・ブランシェット/ナタリー・ポートマン/ブライアン・デネヒー/アントニオ・バンデラス/ウェス・ベントリー/イザベル・ルーカス/テリーサ・パーマー/イモージェン・プーツ/アーミン・ミューラー=スタール/フリーダ・ピント/チェリー・ジョーンズ/ニック・オファーマン/デイン・デハーン/トーマス・レノン/ヨエル・キナマン/ジェイソン・クラーク/シェー・ウィガム/ライアン・オニール/ジョー・マンガニエロ/マイケル・ウィンコット/ケヴィン・コリガン/(声)ベン・キングズレー

 

音楽 ハナン・タウンゼント

 

撮影 エマニュエル・ルベツキ

 

聖杯たちの騎士(字幕版)

聖杯たちの騎士(字幕版)

  • クリスチャン・ベイル
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聖杯たちの騎士 - Wikipedia

 

 

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