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「極悪の流儀」 2016

極悪の流儀(字幕版)

★★☆☆☆

 

あらすじ

 ハリウッドで若くして成功した男は、砂漠で出会った謎の男に追われることになり、誤って警官を殺してしまう。

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 原題は「Mojave」。93分。

 

感想

 勘違いで警官を殺してしまった主人公が、砂漠で怪しげな男につけ狙われ、脅迫される物語だ。だがその前にまず、主人公が何者なのかがとても分かりにくかった。若くして成功して何もかもを手に入れ、既に人生に飽いているのは伝わってきたが、何で成功したのかは曖昧だった。おそらく映像関係ぽかったので映画監督なのかと思ったが、彼の若さで監督がそんな大金持ちになれるものだろうか。

 

 主人公が自暴自棄気味に車で砂漠を暴走して事故ってしまい、徒歩で家に帰る途中に出会うのが謎の男だ。砂漠で突然現れた男が焚火の前で主人公にミステリアスな話をするシーンはなかなか意味深だった。聖書やシェイクスピアを引き合いに出していたので、きっと深い意味が込められているのだろう。

 

 

 やがて因縁の出来た男は主人公をつけ狙うようになる。主人公の自宅に侵入し、恋人にも付きまとおうとする。彼が主人公との距離を確実に縮めて追い詰めていく過程は、かなり完璧で恐ろしさがあった。主人公が抗おうとしても常にその先を行っている。

 

 だからクライマックスの二人の直接対決で、主人公が男の裏をかいてあっさりと勝利してしまった時には、カタルシスよりもあんなに強かったのに男がショボ過ぎる、とがっかりしてしまった方が大きかった。

 

 振り返ってみると、主人公と男の何やら意味ありげな対比のさせ方も、男の主人公の追い詰め方も、そもそも主要人物たちの描き方も、何から何まで中途半端になってしまっている。マーク・ウォールバーグもなんだかもったいない使い方だった。

 

 大きな盛り上がりが訪れることなく、常に期待していたよりも小さな波しか起こらない映画だった。せめてどれか一つでもまともに描けていれば、クライマックスでカタルシスを得られたような気がする。

 

 あまり真剣に考察する気がしないが、富も名声も女もすべて手に入れている男に取引を持ち掛けてしまった、運の悪い悪魔の気の毒な物語といったところだろうか。

 

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本/製作 ウィリアム・モナハン

 

出演 オスカー・アイザック/ギャレット・ヘドランド/マーク・ウォールバーグ/ウォルトン・ゴギンズ/ルイーズ・ブルゴワン/フラン・クランツ/ダニア・ラミレス

 

極悪の流儀(字幕版)

極悪の流儀(字幕版)

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