★★★☆☆
あらすじ
余命わずかと告げられた青年の前に自分そっくりの男が現れ、世界から何かを消すことで寿命を一日に伸ばすことができると告げられる。
佐藤健主演、宮﨑あおい、濱田岳、原田美枝子ら出演。川村元気原作、岡田惠和脚本。103分。
感想
世界から何かを消すことで、一日だけ寿命を延ばせることになった青年が主人公だ。何を消すのかは、話を持ちかけた自分そっくりの男が勝手に決める。
まず最初に世界から電話が消される。その瞬間から電話がなくなるだけかと思ったら、もともと存在しなかったことにされて、それに関係した出来事までなかったことにされる設定だった。元恋人と間違い電話がきっかけで知り合った主人公は、彼女と出会わなかったことにされてしまうのだが、いや電話に関係する出来事なんて人類史上で山のようにあるはずだから、それどころではないだろうと慌ててしまった。
電話がなければきっと歴史は今とは全然違うものになっているはずだし、主人公が生まれていない可能性だって全然あり得る。それなのにそんな小さな部分の変化しか描かないなんて、ずいぶんといい加減だ。ご都合主義だが、 一種の思考実験らしいことがわかってくるので、不承不承だが納得できなくもない。
その後も毎日いろいろなものが消されていく。そのたびに主人公は、律儀にそれらとの思い出を振り返るのだが、死を目前にずいぶんと呑気なものだと呆れてしまう。無くなったものなんかどうでもよくて、死ぬ前にやっておきたいことをやるべきだろう。いちいちお題を貰わないと何をするべきか分からないなら、さっさと死んだ方が良いのでは?と思ってしまった。
その後はいつの間にか、主人公の人生を振り返る展開になる。家族とのやりとりや恋人と出かけた旅行での出来事が描かれていく。映画「ブエノスアイレス」のロケ地巡りのような観光映像は単純に良かったが、物語としては、何をやっているのか、段々と見えなくなってきた。
猫を絡めて、何か人生にまつわる良い話をやろうとしている事だけはよく分かる映画だ。死への恐れも生への執着もまったく伝わって来ないが、その意図だけはしっかりと伝わってくる。
スタッフ/キャスト
監督 永井聡
脚本 岡田惠和
原作 世界から猫が消えたなら
出演 佐藤健/濱田岳/奥田瑛二/原田美枝子/奥野瑛太/石井杏奈
音楽 小林武史
