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「セブン・シスターズ」 2017

セブン・シスターズ(字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 人口爆発により一人っ子政策が行われる世界。祖父に匿われていた7つ子の姉妹は、交代で外出することで、ひとりの人格として生活を送っていた。原題は「What Happened to Monday」。

 

感想

 人口爆発により一人っ子政策が取られ、過剰な子供たちは問題が解消するまで冷凍保存される社会。 そんな中、祖父に匿われて冷凍保存されることなく育った7つ子の姉妹。7人で一人の人格を演じて外の世界を生きていて、それぞれが各曜日を担当して外出し、その曜日名で呼び合っている。この設定は面白い。

 

 ある日、月曜日を担当する「月曜」が帰ってこなかったことから物語は動き出す。翌日、今度は「火曜」が外出して「月曜」に何が起きたのか探ろうとするが、次々と問題が発生して…というストーリー。

 

 

 面白くないことはないのだが、やはりこの設定には無理がある。それが気になって、いまいち物語に入り込めない自分がいた。人口が多いのは問題だが、過剰な子供を冷凍保存しても、その維持管理は同じくらい大変で問題なのでは?とか、7つ子たちは、外出した人物がその日起きた事を皆に説明することで整合性を取っているのだが、全部を説明するのは無理だから結局、齟齬をきたすのでは?とか、明確な答えは得られないまま物語は進む。

 

 さらに、その後の展開にも不可思議な点が出てくる。結局、「月曜」は7つ子ということが何者かに密告されて当局に追われている事が分かるのだが、なぜかこの7人姉妹が強い。屈強な男たち相手に対等に戦ってしまうし、当局も警戒している。この辺りの説明もない。

 

 そして、途中から突然存在感を増し、中心的な存在になる当局の男。姉妹の一人と付き合っていた事から、彼女たちに協力することを決意するのだが、結構な決断をあっさりするなと呆れてしまった。そんな簡単に体制に背いて、その後はどうやって生きるつもりだったのか。愛の力、では簡単に片づけられない重い判断のはずなのに。

 

 最終的には意外な結末で、それなりに楽しめたのだが、冷凍保存の件は案の定で、最後までもやもやした気持ちは残ったまま。スッキリはしなかった。ただ、一人七役を演じるノオミ・ラパスは見事だったし、同じ顔の主人公が何人もいるのだから別にいいだろうということで、途中で主人公を簡単に殺してしまうのも斬新で面白かった。単純に駄目だった、とも言いたくないような、意欲作ではあった。

 

スタッフ/キャスト

監督 トミー・ウィルコラ


出演 ノオミ・ラパス/グレン・クローズ/ウィレム・デフォー/マーワン・ケンザリ/サンティアゴ・カブレラ/ロバート・ワグナー

 

セブン・シスターズ (映画) - Wikipedia

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