★★☆☆☆
あらすじ
火星の施設から救助要請を受けて現地に乗り込んだ部隊は、そこで奇怪な生物に遭遇する。
人気FPSゲーム「Doom 3」の映画化作品。100分。
感想
異常事態が発生した施設に乗り込んだ部隊の物語だ。何も分からないまま施設内を捜索する彼らは、次々と奇怪な光景を目撃する。いったい何が起きているのだ?とドキドキしながらその様子を見守っていたのだが、そのドキドキが静まった頃になってもまだ何もわからないままだ。いつまでも経っても進展しない状況に、今度は逆にイライラが募り始めてしまった。
もう分かったからそろそろ次の段階に進んでくれないかなと思っているのに、ダラダラと同じようなことばかりをくり返している。あまりの停滞感に、なんでずっと暗い中でやっているのだ?電気をつけろよとか、異常な敵にもっと興味を示そうよとか、気付かなくてもいことに気付いてしまい、余計にイライラとしてしまった。
実際の部隊だとそうそう劇的なことは起こらないのだろうから、これはリアルと言えばリアルなのかもしれないが、誰もそんなの求めていない。適度に盛り上げてくれればいいのに、可もなく不可もなくの代わり映えのしない小規模な衝突が散発的に起きるだけだ。
途中でだいぶ関心は薄れてしまっていたが、終盤でようやく真相を明らかにしてくれて、ちょっと心が落ち着いた。そして敵を追って地球に戻って来たと思ったら、突然隊長がおかしくなってしまう謎展開が始まり、いったいこれは何の話なのだ?と困惑してしまった。クライマックスは予想していなかった対決の構図となる。意外性はあったがもはや興味はなかった。
もしかしたら原作のゲームがこんなストーリーで、ファンなら納得の展開なのかもしれないが、まともにゲームをやっていない自分には不可解でしかなかった。そもそもこのゲームは普通の戦争ものだと思っていて、ゾンビもの的なSF設定だと知らなかったのも大きいが。
クライマックスの直前に、原作ゲームの特徴である一人称視点に似せた映像で敵を倒すシークエンスがあり、ここはさすがにテンションが上がった。だが盛り上がり切れずに物足りなさが残ってしまった。この一人称視点の演出は、もったいぶらずに最初から定期的にやったほうが良かったような気がする。
要所要所で音楽などで分かりやすく盛り上げようとしているのは分かるのだが、どのシーンも思ったよりも盛り上がらない。振り幅が小さくて、カタルシスがない映画になってしまっている。
スタッフ/キャスト
監督 アンジェイ・バートコウィアク
原作 DOOM3 BFG EDITION【CEROレーティング「Z」】 - PS3
出演 カール・アーバン/ロザムンド・パイク/ラズ・アドティ/ザ・ロック(ドウェイン・ジョンソン)/リチャード・ブレイク/ベン・ダニエルズ/デクスター・フレッチャー
音楽 クリント・マンセル
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