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「猫のあしあと」 2007

猫のあしあと (講談社文庫)

★★★★☆

 

 著者が引き取った野良猫たちの話。

 

 作家が書いたこういう類の本はほのぼのした気楽な感じのものになりがちだが、この本はまるで野戦病院や緊急医療の現場を綴ったような結構ハードな内容。

 

 飼っていたペットを失った悲しみから野良猫を引き取ることにした著者。ボランティア団体が連れてくる野良猫たちは病気を持っていて、人間不信にも陥っている。次々とやってくるそんな猫たちに著者は住居を与え、えさを与え病院に連れて行く。警戒されて唸り声をあげられても。部屋が荒らされても。

 

 いつも猫たちを気遣い、看病して何度も病院に連れて行ったりするなりふり構わない献身的な著者に生き物への深い愛を感じる。だけど、生き物と暮らすって事はこういう覚悟がないと本当は駄目なんだろうな。その生き物にとって最善の環境を与えられるように努力しないと。野良猫たちの病状に一喜一憂している著者たちを見ているとそう思う。

 

 そしてその一方で野良猫を生み出す側、ペットをいともたやすく捨ててしまう人たちがいるって事には信じられない思いだ。平気で処分場に連れて行く人たちに。そして、捨てられたペットたちの処分の方法にもショックを受ける。

 

 本当に壮絶な話ばかりで読んでいてもつらくなる場面ばかりなのだが、そんな中でも笑える話もちゃんと盛り込んでくるのはさすがだ。

 

 いつか猫を飼いたいななんて思っているけど、この著者のように真剣に猫のために出来るかなと不安も覚えてしまうぐらい、彼らへの深い愛情が伝わってくる作品となっている。

 

著者

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猫のあしあと (講談社文庫)

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