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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「悪童日記」 1986

悪童日記 (ハヤカワepi文庫)

★★★★☆

 

著者 アゴタ・クリストフ

 

 祖母の家に疎開することになった双子の兄弟。

 

 とりあえず翻訳ものなのに不自然な言葉遣い等がなく読みやすい。子供が書いたノートという体裁をとっているからだろうか。

 

 戦争から逃れるため母親と離れて祖母の元で暮らすことになった幼い子供たち。普通なら母親を想い泣いたり、意地の悪い祖母からの仕打ちに悲しんだりしそうなものだがこの二人は違う。現実を受け入れる。そしてこの現実でやるべきことをやる。

 

 この二人を悪童と読んでいいのかはよく分からない。確かに彼らを手なずけたい人間にとってはいう事を聞かない悪童かもしれないが、彼ら自身は決して自分勝手なわけではないし、誰かのために何かをすることもできる。ただ自分たちのやるべきことをやっているだけだ。子供として見ているから、子供のくせに、ということになるが、だれにも頼らなくていい自立した人間として見ればそんなにおかしな話ではない。世間から白い目で見られながらも、戦争の中一人で生き抜いている祖母とうまい関係を築いていることからもそれは分かる。

 

 父親や母親すらも頼る必要のない二人の両親に対する接し方は、それでもちょっとひどいという気がするが。彼らの存在を頼りにしようとする両親すら必要はないという事なのか。

 

 主人公の二人は双子なのにあまり双子という感じがしない。二人で一人みたいな。ラストのためだけに双子だったのだろうか。互いに互いを見ることで自分を客観視することになっていたという事なのだろうか。

  

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