★★★☆☆
あらすじ
調査の為に森を探検していた一行は、自然の中で一人で生きる男と出会う。
感想
自然の中で食料を調達し、自然の中で眠る男。その生命力のたくましさに神々しささえ感じる。さらに自然の中の他の住人のために、無用な狩猟はせず、一時利用した寝床には食料を残していく。自分が生き残るためには他者を含めた自然との共生が重要だと本能的に理解している。
しかし、まだこの時代はだれの土地でもない土地があったという事に、時代のおおらかさを感じる。中国人がいたり、原住民たちがいたり。
森の中で自由に暮らす彼にもやがて老いが訪れ始める。目が衰え満足に狩猟もできなくなった彼を待つのは自然による淘汰である。それを悟り、陽気だった彼が次第に神経質になっていくのは悲しい。
森を出て調査隊の一人の家に身を寄せることになった彼は、お金で水や薪を買い求め効率的に生きる人たちを見て混乱し、理解できずにいる。森ではあんなに大きく見えた彼が街ではとても小さく見える。息苦しさを感じ、森を求めている。
環境問題やらエコの意識が高まっている昨今、こういう映画を観て、自然との共生だのをちゃんと考えてみたらいいんじゃないかと。
監督/脚本
出演 ユーリー・サローミン/マキシム・ムンズク