★★★★☆
感想
心理学というよりもまるで自己啓発の本のよう。自分の人生なのだから、自分の住みよい世界で自分のために生きなければならない。当たり前のことなのだが、実際は誰かや何かのせいにして、不満を抱えて生きている。
この本を読むと自由な気分にさせてくれるが、同時に身を引き締められるような気持ちにもなる。自由に生きるためには、それを誰のせいにもしないで、すべての責任を引き受けなければならない厳しさも必要となる。
この本の中で述べられていることは多くはなくシンプルだが、それを実践するとなるとなかなか難しい。考え出すと他人に親切にするのにも考え込んでしまいそう。それは自分の課題ではないのではないかとか、それは親切な事をする自分を見てもらいたいのではないかとか、助けてあげることで上下の関係を形成してしまうのではないかとか。
この本の中でも、そういう事についてははっきりと書かれていないが、結局答えは一つということではなくて、その場その場で答えが違うということなのだろう。難しい。
著者
岸見一郎