★★★★☆
あらすじ
一家離散し、中学卒業後は日雇いで暮らす男は、仕事先で同年代の男に話しかけられ、仲良くなる。
森山未來、高良健吾、前田敦子ら出演、山下敦弘監督。西村賢太の芥川受賞作が原作。114分。
感想
主人公の他人とうまく距離感を取れない感じが切ない。中卒というコンプレックスに、父親が性犯罪者だという負い目もあり、どうせろくな人間になれないと自暴自棄気味になっている。
そしてこの年頃の人間が孤独に暮らすことは、社会性を身につける大きな弊害となるのかもしれない。己の欲望を素直に口に出すことは良くないことだとか、他者との距離感の図り方など、本来はこの年頃に仲間との付き合いの中で覚えていくものだ。
不幸な環境にいた主人公にはそれがなかった。主人公が自分の一人称を「ぼく」と呼ぶのにそれが表れているのかもしれない。こういうキャラクターは「俺」と言いそうなものだ。そこに幼稚さとともにどこか歪なものを感じる。
青春映画にありがちな海で戯れるシーンもあるが、キラキラ輝いた海ではなく、どんよりとした海で戯れる所に、主人公の境遇が表われている。
彼ほど露骨ではないが、皆彼と同じ部分を持っているはずだ。どこかで彼に共感してしまっている自分がいる。
スタッフ/キャスト
監督
脚本/出演 いまおかしんじ
原作
出演 森山未來/高良健吾/前田敦子/マキタスポーツ/田口トモロヲ/佐藤宏/宇野祥平/中村昌也
音楽 SHINCO
