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「青いパパイヤの香り」 1993

青いパパイヤの香り (字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 住み込みの女中をするために、商家にやって来た少女。ベトナム映画。

 

感想

 見るからに全然子供の主人公は、たった一人で奉公先にやってくる。寂しかったり、家族が恋しかったりしそうなものだが、当然のように次の日から淡々と仕事をこなしている。奉公先には同じ年頃の何不自由なく暮らす子供がいて、自らの境遇との違いに落ち込んだりもしそうだが、そんな素振りもない。

 

 そんな健気に働く少女を見たら、気の毒とか可哀想とか思いそうなものだが、あまりそんな風に見えないのは、少女につらそうな様子がないからかもしれない。ただやるべきことをやっているだけ、とでもいうような自然体、そしてそんな中で、自分なりの楽しみを見出すしなやかさを感じる。

 

 主人公の奉公先の家族の中で様々な出来事が起こる。それにしても、この家の主人は、妻に仕事を任せて働かず、のんきに楽器を弾いて過ごし、しまいには家の金を全部持って家出をするとか、なかなかうらやましい暮らしをしている。なのに残された妻は、義理の母親にお前が駄目だから、とか説教されたりして、可哀想すぎる。女たちだけで全てが回っているような世界だ。これはこの家だけなのか、ベトナムの特色なのかよくわからないが。

 

 そして10年が経ち、年頃になった主人公。働いていた家は世代が変わり、別の家で働くことになる。しかし若い独身の男の家に、年頃の女性を女中として働かせるかな、とは思ってしまった。何が起きるか予想できそうなものだ。ただ前の家で女主人に本当は自分の息子と一緒になって欲しかった、と言われているので、そういう事はあり、ということなのだろう。予想通りの結末を迎える。

 

 登場人物たちはほとんど喋らず、事件は起きても大騒ぎすることなく静かに描かれる。淡々とした描き方に若干眠気を覚えなくはないが、登場人物たちの暮らしぶりや主人公の働きぶり、生活の中に溶け込んでいる虫の音や匂ってくるような植物など、映像の豊かさに見入ってしまう。

 

監督/脚本 トラン・アン・ユン

 

出演 トラン・ヌー・イエン=ケー/リュ・マン・サンリュ・マン・サン/トルゥオン・チー・ロック/グエン・アン・ホア/ヴォン・ホア・ホイ/トラン・ゴック・トゥルン/タリスマン・バンサ/ソウヴァンナヴォング・ケオ/ネス・ガーランド

 

青いパパイヤの香り (字幕版)
 

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