★★★☆☆
あらすじ
死んだ母の遺骨を納めるため、母の故郷にやってきた女。
感想
地元で有名だった母親と顔がそっくりの娘をちやほやする人々。分からないでもないが、でもその前にその有名だった母親が死んだことに関してはほぼノーリアクションというか、無視されているのが納得いかない。ただただ町の人々は浮かれている。
本当は思いやりのある親切な田舎な人たち、ということにしたかったのかもしれないが、これでは退屈な日常に訪れた刺激的な出来事を娯楽として消費する残酷な人びとに見えてしまう。
そのせいなのか、堀北真希演じる主人公が、親切な人達に次第に暴力振るったり暴言吐いたりと、傍若無人になっていったのはちょっと面白かったが、多分これも意図とは違うのだろう。
そして終盤に突然饒舌になるパターン。別にいちいち言葉で説明しなくてもいいのに不安なのか。そんな中で、松田龍平が少ない登場シーンで印象に残るおいしい仕事をしている。
結局、娘が母親に対する気持ちを整理できただけで、母親はあまり報われていないような気がする。既に死んじゃったわけだし、そこは重要じゃないのか。娘に理解されただけでも本望だろうなと推し量られればいいのか。
ラストはちゃんと堀北真希に「赤いスイトピー」を歌わせて欲しかった。
スタッフ/キャスト
監督/脚本 吉田恵輔
出演 堀北真希/松田龍平/余貴美子/温水洋一/麻生祐未 /ガダルカナル・タカ/ふせえり