★★★☆☆
あらすじ
警察内部の犯罪調査をする特別監察官室から、ある警部を捜査するよう命令されたクビ寸前だった警察官二人。
感想
ドラマや映画になった「トリック」シリーズのような、監督の堤幸彦らしい小ネタを散りばめた映画だ。本筋以外にノイズの多い展開で好き嫌いはあるだろうが、個人的には大丈夫だった。めちゃくちゃ面白いわけではないが、気軽に見るには悪くない。
前半は、ある企業に対する脅迫事件が描かれる。主人公二人は、それへの関与が疑われるある刑事を捜査している。ただこの事件は、こじんまりとしたものに感じられて、あまり盛り上がらない。なんとなくこの前半は、小ネタで笑わせようとする意図が強かったような印象だ。それでもいいが、事件自体ももうちょっとしっかりと描いて欲しかった。
後半は、なんと言っても渡辺謙の存在感がすごい。彼が登場しただけで、一気にハリウッド映画のような雰囲気になってしまった。フロッピーディスクを頭に刺して歩く姿も笑えた。彼を中心に主人公らが戦うクライマックスは、緊迫感があってなかなか見ごたえがある。IZAMの演技の残念さを除けば、このクライマックスはかなり良かった。
それだけに前半のスケールの小ささは残念だ。クライマックスの足を引っ張ってしまっている。前半の波が低すぎたので、大きな波を起こすにも限界があった。どうにも消化不良な後味が残る。
スタッフ/キャスト
監督 堤幸彦
出演 椎名桔平/窪塚洋介/仲間由紀恵/IZAM/成宮寛貴/伊武雅刀/宍戸錠/野際陽子/白竜/犬山犬子/河原さぶ/保積ぺぺ/多田木亮佑/大倉孝二/村杉蝉之介/佐藤二朗/ミスターちん/でんでん
音楽 見岳章