★★★★☆
あらすじ
戦うことだけを教えられて育ち、今は高利貸の用心棒として相手を痛めつける日々を過ごす男が、ある日盲目の調律師と出会う。
英題は「Unleashed」「Danny the Dog」。103分。
感想
ゴリゴリのアクション映画かと思っていたら、ハートウォーミングなドラマもあるアクション映画だった。このハートウォーミング部分はモーガン・フリーマンの好演が光る。大抵のことは笑って受け入れてくれそうな懐の大きさがあった。
それに呼応するかのようにジェット・リーもアクションだけでなく、繊細さの必要な役どころを頑張って演じている。ただ、命じられたら犬みたいに相手に襲いかかるよう躾けられた、彼の演じる男のキャラクター設定が曖昧だ。
相手の言うことが理解できるのは分かったが、喋れるのか喋れないのか。字は読めるのか、読めないのか。喋れるならもっと喋りそうだし、なんだかんだで色んな人を見ているので、そんな世間知らずみたいになるわけないような気もする。そうなるとそんなに他の人と変わらないような言動をするような気もする。
そして、モーガン・フリーマン演じる男の家族に感化されたのだとは思うが、それでもなぜ急に幼い頃に別れた顔も知らない母親に固執し出したのか、あまり上手く伝わってこなかった。
そのあたりをぐっと飲み込めば、ジェット・リーの切れのあるアクションと、モーガン・フリーマンの人情味あふれるヒューマンなドラマを楽しむことができるはずだ。
単純に戦うのではなく、主人公がそれまでの人生で背負わされた業に訴えかけ、元の世界に引き戻そうとする育ての親との対決シーンは、なかなか凄みがあって見ごたえがあった。
スタッフ/キャスト
監督 ルイ・レテリエ
脚本/製作 リュック・ベッソン
製作/出演 ジェット・リー
出演
ボブ・ホスキンス/ケリー・コンドン/テイマー・ハッサン/ヴィンセント・リーガン/キャロル・アン・ウィルソン
音楽 マッシヴ・アタック
撮影 ピエール・モレル