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「ねじの回転」 1898

ねじの回転 (光文社古典新訳文庫)

★★★☆☆

 

あらすじ

 両親を亡くし、叔父の屋敷で暮らしながら幼い兄弟の家庭教師をすることになった若い女性は、屋敷で亡霊を目撃する。

 

感想

 昔の小説で妖怪だの亡霊だのが出てくると、どういう態度でそれを受け入れていいのか迷う。今みたいにそんなわけ無いでしょと半信半疑でいるべきなのか、そういうことってままあるよね、という態度でいるべきなのか。この小説では後者が正しいようだ。

 

 ただし話の構造がまた聞きをさらに書き留めたものだという回りくどいものになっていたり、亡霊を見る家庭教師の精神的な脆さも感じさせたりと、敢えてリアリティを薄めている。

 

 

 子供たちを何度も美しいと言ったり、女中頭と手を取り合って涙したりと主人公は妙に感受性が強い女性だ。フロイトと同時代に書かれた小説ということでその影響を受けており、亡霊は女性の狂言だという説もあるようだ。ただ亡霊の容姿が彼女が知らないはずの人物とそっくりというので違うような気もするが、語り手が本人である家庭教師なので都合の良いように話を作り上げている可能性もある。

 

 考えれば考えるほどいろいろな解釈が浮上してくる物語だ。

 

著者

ヘンリー・ジェイムズ

 

ねじの回転 - Wikipedia

 

 

登場する作品

ユードルフォの謎―アン・ラドクリフ (1)

アミーリア

 

 

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