★★★☆☆
あらすじ
田舎から出てきた男が出会った出自不明の大金持ちの男の話。他の邦題は「華麗なるギャツビー」「偉大なギャツビー」。
感想
体裁を気にする社交界の金持ちも、裏では色々とみっともない事をしている。そんな彼らが出自不明のためにいかがわしさを感じている、ギャツビーという男。しかし彼はもう元には戻らない過去の出来事を大切にして、それを頼りに生きている男であった。主人公は、社交界の他の気まぐれで冷淡で打算的な人間たちとは対照的なギャツビーの、そんな一途さに魅力を感じ、その生き方に美しさを感じたのだろう。
しかしこういう金持ちの人間は、金持ちの人間としかつるまないのかと思っていたら、意外とそうでもないのか。いかにも労働者の住むような街の女に手を出したり。社交界というものは本当によく分からない。まぁ生まれながらに金持ちの人間たちの退屈しのぎの場なのだろう。
正直、村上春樹が高く評価しているということで、ハードルを高く設定しすぎてしまったかなという気もする。
話自体も大作という感じではない。だから文章の美しさや細かい描写に注目するべきなのだろうが、やはり翻訳ならではの違和感というものがある。訳者である村上春樹が言うように、原文の英語で読むべきなのかもと感じてしまう作品だった。
著者
スコット・フィッツジェラルド
翻訳
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