★★☆☆☆
あらすじ
高校時代に大切な人を亡くした女性が、同じような経験をした男と知り合う。
感想
思いを寄せる人間を失った女性が、喪失感から立ち直り、新たな一歩を踏み出すまでの軌跡を描いた物語。としたかったのだろうが、失って数年ならまだしも、8年も経っているなら、相当立ち直れているはず。
それなのに、わざわざ自分と同じような経験がある人を見つけて、過去の話をほじくり返し合っている。互いに心の傷を舐めあって、気持ちよくなるプレイを楽しんでいるようにも見えて、負の感情で惹かれ合っている二人に、とても邪悪なものを感じてしまった。
特に岡田将生演じる男は、山で滑落した女性を前にしながら、自分のトラウマを癒すことに夢中になっていて、完全にどうかしている。まずは怪我はないかとか、救急車を呼ぶべきかとか心配しろよと。
それからフィクションなのでアレなのだが、名古屋とその近郊が舞台のようなのに、瀬戸内海の風景を多用しているのがすごい気になった。適当に美しい景色の場所で撮影してつなぎ合わせておけばいいでしょ、みたいなすごい雑な舞台設定。いかにも東京しか知らない人が考える「地方」だった。
ラストにかけて、怒涛のように嘘みたいな奇跡とか都合の良い新事実が出てきて、呆れて笑ってしまった。
スタッフ/キャスト
監督 新城毅彦
出演 長澤まさみ
波瑠/中村蒼/古川雄輝/平田薫/田山涼成/和田聰宏/MEGUMI/池脇千鶴/高良健吾