★★★☆☆
あらすじ
登場人物たちの絵を描いてから小説を書くという手法で、人気となった女流作家。日活のロマンポルノ・リブート企画として制作された作品。
感想
ほとんどが原色を配した主人公の部屋で展開され、抽象的なセリフが繰り出される。まるで前衛的な舞台作品を見ているような気がしてくる。
ストーリーはあまり無いといってもよく、印象的で断片的なシーンが続く。ただ、そんな映像を眺めるように見ていると、次第にこの映画が言わんとしていることが何となく分かってくる。きっとこの映画はタイトルそのまま、アンチポルノについて語っているのだろう。
皆が同じような体をして、同じような行為をしているのに、それがポルノ的に扱われてしまうことがある。それは本人がたとえそう望まなくても、そうなってしまうこともある。そんな中で、特に女性はいくつものキャラクターを演じ分け、さらに演技に演技を上塗りし、自分を守ろうとするのだが、やがて当人が本当の自分を見失ってしまう。常に自分が本当の自分じゃないような気分で日々を過ごしている。
この映画は日活ロマンポルノ45周年を記念して製作された。そうなると主なターゲットは成人男性になるのだろうが、きっと女性に見てほしい映画なのだろうなと思った。今の日本社会を成立させている固定観念みたいなものにとらわれず生きてほしいと。
最初は主演の冨手麻妙の演技の稚拙ぶりが目立ったのだが、この映画のテーマと重ねて考えてみると、うまく自分を演じられない女として成立しているのかもと思うようになり、段々と馴染んでしまった。これを計算でやったとしたら、監督はすごいかもしれない。
スタッフ/キャスト
監督/脚本
出演 冨手麻妙/筒井真理子/不二子/下村愛
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