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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「修羅雪姫」 2001

修羅雪姫

★★☆☆☆

 

あらすじ

 暗殺組織を抜けた女が、追手から逃れ、ある男の家にたどり着く。

 

感想

 開国をしないで鎖国したままの日本というパラレルワールドでの物語だ。縦長のPCモニターやアルファベットのない看板など、頑張っていたとは思うが、どうにもチープさがつきまとう。ディテールにこだわりを見せても全体像を提示しないので、リアリティを感じない。これは予算的な問題なのかもしれないが。

 

 組織を抜けて追われる女。ただ、弾圧する国家権力側の暗殺組織の内ゲバ的な話なんて知らんがな、というのが正直な所だ。釈由美子演じる主人公は、組織に忠誠を誓い、命じられるままに人を殺してきた。その組織に自分の母親を殺されたことを知った彼女が、怒り悲しみそして苦悩でもしてくれたらすこしは感情移入できたのかもしれない。だが実際は、真実を知った瞬間に躊躇なく裏切ってしまう。妙に淡白だ。その後も人間性を回復していくというわけでもないので、やっぱりそんな人間では応援する気になれない。

 

 

 そして物語として今いちなのは、主人公が強いのはいいのだが、全部受け身だということだ。ただ襲いかかる追手を倒しているだけでしかない。母親の仇なんだから、待ってないで自分から倒しにいけよ、ともどかしい。あまり主人公の意志が感じられず、見ていてもカタルシスが得られなかった。そもそも本当はどうするつもりだったのか、聞きたくなる。

 

 アクションはなかなかのものを見せている。だがそれも含めて、音楽やアフレコ、男女の描き方などが、妙に時代がかって古臭く見えてしまうのは何故だろう。20年近く前の作品なので実際に古いのは間違いないのだが、サイクル的にちょうどその頃の作品が古臭く感じてしまう時期なのかもしれない。また10年ぐらい経ってから見ると、何周かしてまたイケてるように見えるのかもしれない。とはいえ、そんなことは絶対にないような気がするが。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 佐藤信介

 

原作 修羅雪姫 1~最新巻(キングシリーズ) [マーケットプレイス コミックセット]

 

アクション監督 ドニー・イェン

 

特技監督 樋口真嗣

 

出演 釈由美子/伊藤英明/佐野史郎/真木よう子/六平直政/松重豊/塚本高史/嶋田久作

 

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