★★★☆☆
あらすじ
組の事情である男を殺して服役していた男が戻ってくる。
感想
この間見た「陽炎」でもそうだったが、女とその女の父親を殺した男、という設定は映画になるのか。確かに普通であれば、その後の接点なんかないものだ。
高倉健はこの映画でも不器用な男を演じている。なんだかどれも同じだな、と多少飽きてきた。寡黙で実直で誠実で控えめで、普段は静かだがやるときはやる、というのは確かにカッコいい。男ならこうありたいという気持ちもなくはないが、やっぱりしんどそうだ。今の時代ならあいつは何が楽しくて生きてるのだろう、と陰口叩かれそうだ。
高倉健が殺した男の娘で、彼が負い目を感じて援助していた池上季実子。高校生にしては顔が老けている。年老いて見えるというよりは、高校生に見えない大人の女の顔。若さが感じられない。実際にこの時、本当に高校生だったのかもしれないが。そして、そんな女子高生の彼女に、大の大人が手をだしちゃダメだろう。
本当は堅気になりたいのに、義理や人情のために足を洗えなかった男。ラストの高倉健のアップで締めくくるあたり、高倉健は映画スターなのだなと改めて思わされた。
スタッフ/キャスト
監督
脚本 倉本聰
出演
北大路欣也/池上季実子/田中邦衛/三浦洋一/小池朝雄/夏八木勲/小林亜星/峰岸徹/寺田農/小林稔侍/大滝秀治/岡田真澄/小沢昭一/倍賞美津子/池部良
音楽 クロード・チアリ