★★★★☆
あらすじ
イギリスのメディア王がコレクションするアート作品のキュレーターを担当する男は、メディア王の横暴ぶりに耐えかね仕返しを計画する。映画「泥棒貴族」のリメイク。
感想
幻の名画がアメリカ・テキサスの片田舎の娘の家で見つかったことにし、メディア王から大金を巻き上げようと計画するも、全然思惑通りに事が進まずドタバタしてしまうキュレーター。男前でしゅっとしているのに、どこか頼りない主人公をコリン・ファースが上手く演じている。
そして彼に協力するカウガールの女。しかし、全然指示に従わず田舎者丸出しでずけずけとものを言い、逆にメディア王に気に入られてしまう。そんな自由奔放な女を、こちらもキャメロン・ディアスが好演。下手すると指示に従わないムカつく女になってしまうところを、彼女が底抜けに明るく演じるものだから好感しかない。
メディア王演じるアラン・リックマンも良かった。正直、そういう描写自体は少なかったので、めちゃくちゃ嫌な奴というのはピンとは来なかったが、雰囲気はよく出ていた。メインの登場人物たちがしっかりとした演技をしているので、安心感があった。
そんな中でメディア王と商談をする相手として登場する日本人の一団。昔ながらの欧米の映画に出てくる日本人たちで、馬鹿にしてるのだか、面白がってるのだか、それとも馬鹿にして面白がってるのだか、という描き方。ただ、彼らの腰の低いいつもニコニコした振る舞いは本心とは違うぞ、と警戒していたりするので昔よりは認識が深まっているのかもしれない。そんなことを思いながら若干気分を害していたのだが、それも最後にひっくり返されたので安心した。
コメディ映画ではあるが、アメリカとイギリスの英語の違いとか、隠語を用いたギャグとか今いち日本人的には分かりづらい部分が多く、笑いどころで必ずしも笑えるわけではなかったが、全体的な物語としては楽しむことができた。映画の雰囲気も良かった。
スタッフ/キャスト
監督 マイケル・ホフマン
脚本 ジョエル・コーエン/イーサン・コーエン
出演 コリン・ファース/キャメロン・ディアス/アラン・リックマン/スタンリー・トゥッチ/トム・コートネイ/クロリス・リーチマン/伊川東吾
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