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「ブルースが聞こえる」 1988

ブルースが聞こえる [DVD]

★★★★☆

 

あらすじ

 第2次世界大戦末期、徴兵されて訓練所にやって来た、作家志望の主人公を始めとする若者たち。

 

感想

 徴兵され、同じ訓練所で過ごすことに仲間たち。出身地や人種、育ちは様々で彼らの間に共通点は殆どない。たまたま列車の席が近かっただけなのに、それでもいつの間にか仲間のようになってしまうのは、良く考えれば不思議な事だ。

 

 鬼軍曹による、新人たちを追い込むいじめのような仕打ちというこの手の映画では定番の流れ。主人公が標的になり、彼のせいで他の隊員たちが腕立て伏せをさせられる。これで、本当なら他の隊員たちは主人公を恨むたくなると思うのだが、意外と皆があっさりしている。その後は仲良く一緒に過ごしたりしていて、これも訓練の一環だからと理解しているのか、過ぎたことは気にしないようにしているのか、どちらにしても大人だ。

 

 仲間同士の関係も、どこまでもべったりではなく、互いの主義主張は尊重して、それに対しては程よい距離感を保とうとしている。皆がちゃんと自己主張することで、それぞれが自分の居場所を確保しているのかもしれない。

 

 そして皆のクリストファー・ウォーケン演じる鬼軍曹に対する態度も感心する。ただただ盲目的なイエスマンになるのではなく、言いたいことがある時はちゃんと自分の意見を表明する。それに対して、軍曹の方も腹を立てて暴力を振るうのではなく、ちゃんと聞いた上で言うことを聞かせようとする。権力を誇示するのではなく、規律を教えようとしていることが良く分かる。そりゃ軍隊として強くなる。

 

 ただ映画全体としては、軍隊の映画というよりは恋や友情を扱った青春映画になっている。しかし、主人公が語るように、若かったというだけでそれが良い思い出として心に残っているのは何なのだろう。世の中のことを何も知らず、自分のことすら何も分かっておらず、それだけにたくさんの希望や夢を見られたからなのだろうか。大人になるにつれ、未知のことは少なくなり、世の中の暗い部分を知り、自分に対する期待も低くなり、段々と希望を持たなくなってしまう。なんてことを考えるから、結局若い頃は良かったと、ますます思うのだろう。

 

監督 マイク・ニコルズ

 

脚本 ニール・サイモン

 

出演 マシュー・ブロデリック/マット・マルハーン/コリー・パーカー/ペネロープ・アン・ミラークリストファー・ウォーケン

 

ブルースが聞こえる [DVD]

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ブルースが聞こえる - Wikipedia

 

 

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