「アイム・ソー・エキサイテッド」　2013

★★☆☆☆

あらすじ

　機体トラブルのため、緊急着陸先を探し旋回する飛行機の中の、ビジネスクラスの客とフライトアテンダントたち。

感想

　巨匠ペドロ・アルモドバルの撮ったコメディ映画。そう思いながら見るとあれ？と首をひねりたくなってしまうような映画。これがこの監督の最初のコメディ映画なのかは知らないが、こんなものかと思ってしまった。多分、北野武の「みんな〜やってるか!」を初めて観た時の海外の反応もこんな感じだったんじゃないかと想像してしまう。

みんな~やってるか! [DVD]

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　フライト中に降下装置の故障が判明し、緊急着陸先の手配が完了するまで上空を旋回する飛行機。無事着陸できなければ、大事故を引き起こし全員が死ぬかもしれないという緊迫する事態。しかし、飛んでいる間は問題がないという宙ぶらりんな状態で、乗客と乗務員が巻き起こすコメディ。

　なのだがほとんどがゲイのネタばかりでかなり辟易とする。だけど、こういう下ネタは万国共通ということなのだろう。フライトアテンダントが全員ゲイで、彼らのゲイらしい身のこなしには面白そうな気配がプンプンと漂っているのだが、やっていることはその期待を上回れず、ストレスがたまる。

　コメディとしてはいまいちだったが、飛行機全体を舞台にすると登場人物が多すぎて複雑になりすぎるからと、エコノミーの客は騒がせないように薬で眠らせてしまって、ビジネスクラスの客と数人の乗務員だけで物語を展開させるという舞台の設定方法はうまい。さらに一番感情の起伏が起きてコミカルになりやすいだろう故障発覚時と緊急着陸時のパニックの様子をあえて描かないという引き算にも、巨匠らしいセンスが感じられた。