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「セデック・バレ 第二部:虹の橋」 2011

セデック・バレ 第二部:虹の橋(字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 日本統治下の台湾で武装蜂起した先住民族たち。兵力を増強して鎮圧にあたる日本軍に次第に形勢は逆転していく。台湾映画。132分。

 

感想

 前回の起伏に富んだ物語から一変して、先住民族が敗れていく様をただただ眺めていく、つらく悲しい物語になっている。ただ日本人に一矢報いて気持ち良く終わった1部だけでは、美味しいところだけを頂いた感じがして少しずるい気がするので、こうやってその後を描くことはすごい大事だとは思う。

 

 一応は圧倒的な戦力の差があるにもかかわらず、地の利を生かして奮闘する姿は描かれている。なかなかの迫力があって、戦争映画としてレベルは高い。そして相変わらずの残虐ぶり。残虐シーンに、というよりは平然と残虐なことをする彼らに少し引いている自分がいる。もうこれは勝敗ではなく、彼らのプライドを満足させるための戦いであるので、思う存分やるのは当然なのだが。

 

 

 ただやっぱり、でも負けるからなぁと思ってしまう。男たちが存分に最後の戦いを繰り広げる中、女たちは結果の見えている結末に先んじて去っていく。ただただ悲壮感が漂っている。これなら第1部と2部と分けずに、一つの映画で描いたほうが良かったかもな、と思った。この切ないことばかりの戦いを2時間以上見させられるのはつらいものがある。

 

 対する日本軍には、日本軍名物の怒鳴り散らす司令官が登場する。部下を理不尽に怒鳴り散らし、すべてが終わった後にしょうもない、いかにもなセリフを吐く典型的な駄目な上官。日本の駄目なところが外国映画でも浸透していて何よりなのだが、海外の認識では、怒鳴り散らして感情のコントロールはできないがそれでもこの上官は有能なのだろうと思っているようだ。一度、日本で本当に無能な軍人の映画を作ってみたら面白いかもしれない。別の意味で日本に再軍備させるとやばい、と言われそうだ。

 

スタッフ/キャスト 

監督/脚本 ウェイ・ダーシェン

 

製作 ジョン・ウー/テレンス・チャン/ホァン・ジーミン

 

出演 リン・チンタイ/マー・ジーシアン/安藤政信/河原さぶ/ビビアン・スー

 

美術 種田陽平/赤塚佳仁

 

セデック・バレ - Wikipedia

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