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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「スパイナル・タップ」 1984

スパイナル・タップ

★★★★☆

 

あらすじ

 新アルバムを出した架空のベテランヘヴィメタルロックバンドを追ったモキュメンタリー。

 

感想

 音楽好きなら、何かで見たことがあるようなデジャヴュを覚えるシーンが散りばめられたコメディ映画。ドキュメンタリータッチなので、面白いでしょとあからさまに訴えかけるのではなく、皆がいたって真面目な顔で面白い言動をするので、ついフフフと笑ってしまう。本当のドキュメンタリーでも、アーティストが自分のアーティスト性を際立たせるために、突飛な言動をすることがあるがそれを思い出す。

 

 そして仕掛けられたネタも面白い。ボーカルとギター が中心の長い歴史があるバンドだが、なぜか歴代のドラムがみんな不可解な死を遂げていたり、舞台裏で迷ってしまってステージに全然出られなかったり、ボーカルの恋人がバンドのことに口出しをするようになって、メンバー間に亀裂が生じたりと、なかなかのセンス。中でも壮大なステージセットをネタにしたストーンヘンジのくだりでは爆笑してしまった。

 

 

 今見ても十分面白いこの映画を、80年代に、しかも初監督で撮ったロブ・ライナーはすごい。こんな面白いのになんであまり有名じゃないのか、すごい不思議だ。ただアメリカではバンドを馬鹿にするときにスパイナル・タップみたいだ、と言ったりするらしい。これまで日本では未公開だったが、何故か去年ようやく日本公開にこぎつけたようで、評価していた人はそれなりにいたようだ。もしくは自分が知らなかっただけなのか。

spinaltap.jp

 

 色々と笑わせておいて、最後にホロっとするような泣けるシーンで終わるのが心憎い。きっと音楽ファンたちが多くのバンドに望みながら叶えられなかった夢を叶えてくれた。ビートルズにもこんな事が起きてたらと今でも思うし、オアシスだったりSMAPだったり、自分の好きだったバンドやグループがこんな姿を見せてくれたら、きっとみんな泣いちゃうんだろうな、と思ってしまった。

 

 映画では人気下降気味のバンドを復活に導いたのは、突然の日本でのヒットだったが、実際に日本から人気に火のついたバンドは結構いる。この欧米とは違った動きをすることにより独自の存在感を放っていた日本の音楽市場は、今でも同様の価値を世界に感じてもらえているんだろうかと、ふと気になった。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本/出演/音楽

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脚本/出演/音楽 クリストファー・ゲスト/マイケル・マッキーン/ハリー・シーラー

 

出演 ジューン・チャドウィック/トニー・ヘンドラ/ブルーノ・カービー

 

スパイナル・タップ - Wikipedia

 

 

この作品が登場する作品 

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