★★★☆☆
あらすじ
仕事第一のワンマンな大企業の社長は、事故により娘の誕生日のプレゼントとして購入したばかりの猫と入れ替わってしまう。
原題は「Nine Lives」。87分。
感想
仕事に夢中で自分の事ばかり、家族のことは後回しの男が猫と入れ替わってしまい、家族の想いを知って家族のために頑張る物語だ。猫になるのだから、猫の魅力を十分に生かした映画になっているのかと思ったが、そうでもない。
主人公は猫になっても感覚は人間で、いつも飲んでるスコッチを呑もうと奮闘したり、出されたキャットフードをマズそうだと敬遠したりしている。そうじゃなくてマズそうだと思いながらもいざ食べてみたら美味しくて夢中になっちゃったり、馬鹿らしいと思いながらもいざ始めてみると我を忘れておもちゃで遊んでしまったりするほうが面白かったような気がする。
そういった猫的魅力はあまり描かれておらず、主人公が人間じゃなくなるために猫になっただけ、という程度でしかなかった。相手は本人だと思っていないから素直な主人公への気持ちを表現できるし、主人公も人間じゃないから皆に気にされることなく行動できる。そのための設定で、別に猫じゃなくても人形でも何でもよかったという程度の存在だった。どうせなら猫好きも納得の猫ならではの面白さを見たかった。
猫となった主人公はそれなりに奮闘はしていたが、どちらかというとわがまま放題やりたい放題の主人公にそれでも愛情を示し続ける家族たちに、心打たれる内容となっている。めちゃくちゃ面白いというわけではないのだが、気楽にストレスなく見るには悪くない映画だった。
スタッフ/キャスト
監督 バリー・ソネンフェルド
出演 ケヴィン・スペイシー/ジェニファー・ガーナー/クリストファー・ウォーケン/マリーナ・ワイスマン/シェリル・ハインズ/マーク・コンスエロス/ロビー・アメル/テディ・シアーズ