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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「ダイバージェント」 2014

ダイバージェント(字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

  戦争により壊滅状態の世界。わずかに生き残った人類は「無欲」「平和」「高潔」「博学」「勇敢」の5つの共同体に分かれて暮らしていた。「無欲」に属する両親を持つ主人公は、適性検査でどこにも属さない「異端者」と診断されてしまう。

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感想

  人間をそれぞれの特性ごとに分けて営まれる社会が舞台だ。面白いとは思うのだが、その分け方はあっているのか?とか、その属性がその役割を担うのは適当か?とか、いろいろ疑問に思ってしまって、この世界観を素直に受け入れられない。せめて、その世界が上手くいっているさまをまず見せて欲しかった。

 

 基本的に子供は両親の属性を受け継ぐ社会の中で、主人公はいくつかの属性を持つ異端と診断され、その中から「勇敢」を選択する。自分で自分の属性を選べるのは良いシステムだ。「勇敢」の試験にパスして所属するため、鍛錬に励む。しかし試験に落選した者がどこにも所属しない落伍者となってしまうのは厳しい。せめて5つの属性を試した後にすればいいのにと思ってしまった。セーフティーネットがない。

 

 

 もともと原作はヤングアダルト小説という事で、少女の成長を描く冒険的物語という側面が強い。愛する両親の元を離れ、自分の意志で自分の人生を選ぶ。そして困難を乗り越え道を切り開いていく。そして教官との恋もあり…と分かりやすいと言えば分かりやすい。主人公が異端者と診断されてしまうのも、特別な存在でありたいと望む青少年の琴線に触れそうだ。

 

 「博学」の人間たちが、政治を行う「無欲」の人間たちの不正をただす名目で戦いを仕掛け、それに気づいた主人公がそれを阻止しようとする。悪い組織は必ず相手を悪者にし、平和のためと戦争を始める。利用されるのは「勇敢」の人間たちで、「平和」の人間たちはいっこうに登場してこないのも皮肉だ。歴史の中で何度も繰り返されてきた光景だ。

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 見ていて思うのは、やはりこの世界観の不完全さだ。属性ごとに五つに分かれるのは良いが、それを統べる組織が上にないと不自然になる。この社会の仕組みによって利益を享受している特権階級がいた方が良かった。属性同士で戦う事でしめしめと思っている本当の悪者がどこかにいるような気がしてならなかった。少女の成長物語として観るなら悪くないかもしれないが。

 

 

スタッフ/キャスト 

監督 ニール・バーガー

 

脚本 エヴァン・ドーハティ/ヴァネッサ・テイラー/ヴェロニカ・ロス

 

原作 ダイバージェント 異端者 上 (角川文庫)

 

出演 シェイリーン・ウッドリー/テオ・ジェームズ/アンセル・エルゴート/アシュレイ・ジャッド/ジェイ・コートニー/レイ・スティーブンソン/ゾーイ・クラヴィッツ/マイルズ・テラー/トニー・ゴールドウィン/マギー・Q/メキ・ファイファー/ベン・ラム

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音楽 ジャンキーXL/ハンス・ジマー

 

ダイバージェント(字幕版)

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