★★★★☆
あらすじ
裏社会から離れて静かに暮らしていた元殺し屋の男は、かつての友人で今は武器商人の男に恋人を人質に取られ、殺しの仕事をするよう脅される。
原題は「Mechanic: Resurrection」。
感想
前作でもっと見たいと思った殺し屋の主人公の完璧な仕事ぶりがたくさん堪能できる映画だ。邦題の通り、マレーシア、シドニー、ブルガリアと世界を股に掛けた主人公の仕事ぶりは惚れ惚れするほど鮮やかだった。ワールドワイドな大作感がある一方で、開始30分くらいで出会ったばかりの美女とのベッドシーンが挿入され、チープなB級映画感があるのも面白かった。
あらゆることに精通し、完璧に仕事をこなしていく主人公だが、綿密な計画を立てる準備段階では、必ずしっかりと手書きのノートを取るのがなんか可愛かった。最新の武器や技術を駆使するのに、アナログなところもあるのは人間味がある。
また、無敵に見える主人公なのに、意外とあっさりとお手上げの状況に追い込まれることもあって、ちょっとよく分からない部分もあった。ただそこで殺されたわけではないので、失敗しても殺される状況ではないと判断した上で、やれるだけやっただけのことなのかもしれない。何度捕まろうが死ななければ問題ない。
主人公がただ仕事をこなしていくだけでは単調になってしまうので、人質を取られて脅迫され、無理やり仕事をさせられる設定にしたのは上手かった。言われるがままにただ仕事をするのでは業腹なので、主人公は時おり反撃を試みる。そのことで良い緊張感が生まれ、引き締まったストーリーになった。そしてクライマックスでは、ついに主人公の目論見が成功する。
終盤に主人公を助ける武器商人役のトミー・リー・ジョーンズが、短い出演時間で抜群の存在感を見せていた。威圧的にふんぞり返るのではなく、飄々としたふてぶてしさを感じさせる演技で、得体の知れなさを醸し出している。世界を牛耳る男に相応しいキャラになっていた。
主人公がパーフェクトすぎるきらいはあるが、でもそのパーフェクトさが気持ちよかった。楽しめるアクション映画だ。
スタッフ/キャスト
監督 デニス・ガンゼル
出演
ジェシカ・アルバ/トミー・リー・ジョーンズ/ミシェル・ヨー/サム・ヘイゼルダイン/ラター・ポーガーム/ヴィタヤ・パンスリンガム
音楽 マーク・アイシャム
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