★★★☆☆
あらすじ
前作の海賊退治の功績により、犯罪多発地区の警察署長になった主人公。しかし、犯罪組織と手を結んで悪事を行っていた前所長の様々な策略により窮地に陥ってしまう。
感想
前回の海賊退治という分かりやすさと比べると、今回は汚職の警察署長、清朝に対する革命勢力とそれを追う密偵、そして退治された海賊の残党と、様々な勢力が登場して物語が複雑化してしまった印象。ときどき、この登場人物は何をしたい人だったっけ?と見失いそうになる。
ジャッキー映画と言えばアクション一辺倒だと思ってしまいがちだが、腐敗がはびこる警察署に赴任した主人公が、署員たちの規律を取り戻す方法などは人間の機微を上手くとらえていて感心させられる。この辺りは、中国四千年の歴史からくる人心掌握術という気もする。
さらに、マギー・チャン演じる革命党員の家で、清朝の密偵、革命党員、ジャッキーら警察、警察局長、汚職警察署長らが、互いに姿を隠して心理戦というか、すれ違いというか、ややこしく緊迫感のあるシーン。アクションだけでなくこういうのもやる。前作でも、海賊のアジトに潜入した泥棒、警察らが合言葉でややこしい混乱が生じる同様のテイストのシーンがあった。こういうのも好きみたいだ。今回はこのシーンが一つの見どころとなっている。
そして肝心のアクション。普通にすごくて面白いのだが、前回のような時計台や狭い路地での自転車のチェイスなど印象的に残るシーンはあまりなかった。今回はジャッキーのアクションに加えて、女優陣のアクションを見せようとする意図を感じた。確かに高いところから落下したり屋根にぶら下がったり、(スタントマンかもしれないが)女優陣が体を張ってアクションをしている。でもやっぱり見たいのはジャッキーのアクションなんだよなぁと思ってしまった。
ただラストの倒れる壁を走り降り、さらには倒れる壁の下敷きになりそうになるという畳みかけるような盛り上げ方はさすが。海賊の残党たちが改心するところも良い。
見ていると、テレビでジャッキー映画をやっているのを見てワクワクしていた昔を思い出して懐かしかった。マギー・チャンや警察局長のトン・ピョウとか、いたいた、と久しぶりに見て嬉しくなってしまった。昼とか深夜とかでもいいので、テレビはもっと映画を放送するべきだよなと思った。
スタッフ/キャスト
監督/脚本/製作/出演
製作総指揮 レイモンド・チョウ/レナード・ホー
出演 マギー・チャン/ロザムンド・クワン/カリーナ・ラウ/ロザムンド・クワン/トン・ピョウ/リッキー・ホイ
プロジェクトA2/史上最大の標的 【字幕版】 | 映画 | 無料動画GYAO!
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