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「教授のおかしな妄想殺人」 2015

教授のおかしな妄想殺人(字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

  悲観的で人生に無気力になっていた大学教授が、たまたま耳にした悪い噂のある判事の殺人を思いつく。

 

感想

  新たに大学にやって来た哲学科の教授。かつては世界を変えようと精力的に活動していたが、やがては無力感に襲われ、無気力で悲観的になってしまった男。そんな彼には、嘘か本当かわからない様々な噂が飛び交い、人々の注目の的になっている。

 

 人と関わろうとせず、常に死を考えているようなネガティブな男なのに、結局モテモテなのはズルい気がするが、母性本能をくすぐるというやつなのかもしれない。女子大生と同僚から言い寄られる。

 

 

 女子大生に積極的にアプローチされながらも拒絶し、それでも断り切れずにずるずると友達の関係は続ける主人公。二人で行った食堂でたまたま隣席の裁判の話を聞き、悪徳な判事がいることを知る。そして彼の殺人を思いつく。

 

 世界を変えようとしながら何度も挫折し、悲観的になった男がたどり着いたのが殺人。世界を変えるのは難しいが、この殺人が成功すれば裁判で困っている人を確実に救うことが出来る。その思い付きが彼の人生を生き生きとしたものへと変えてしまうのが皮肉だ。哲学科の教授だという事が、彼のこの発想と行動にリアリティを感じさせる。そして劇中で言及されているドストエフスキーの「罪と罰」も連想してしまう。

 

 周到な準備の後に、遂に殺人を決行したときの、主人公演じるホアキン・フェニックスの表情が何とも印象的だった。瞳孔が開き、緊迫感や達成感、逡巡などが入り混じった何とも言えない表情。

 

 殺人決行後はさらに自己肯定感が高まり、充足感に溢れる主人公。しかし、何もかもが上手くいきすぎて、逆に少しずつ歯車が狂っていく。このいくつかの些細な出来事が主人公たちの人生を左右していく感じがなんとも言えないのだが、それがなんか良い。人生が決まっていく出来事はあまりにも些細で、人はそれにいつまでも後悔したり、逆に気付かず自分の才能だと慢心したりする。

 

 正念場を迎えたラストの主人公の行動も過去のほんの些細な出来事が、結果を左右することになった。そして、その結果がまた誰かの人生を左右する。主人公と一緒に海外に移住しようと夫に離婚を切り出した同僚女性とかの。

 

 太鼓腹が印象的なホアキン・フェニックスの演技は相変わらず素晴らしく、劇中の音楽も良くて、見ごたえがあり悪くなかったのだが、ラストにもうひと山かふた山があると良かった。それだけ?と少し物足りない気分だった。

 

スタッフ/キャスト 

監督/脚本

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出演 ホアキン・フェニックス/エマ・ストーン/パーカー・ポージー/ジェイミー・ブラックリー/イーサン・フィリップス

 

教授のおかしな妄想殺人 - Wikipedia

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